kikai-news.net

酒井重工業、4~9月売上は4.7%減の128億円、通期見通しは前期比11%減の263億円に下方修正

 酒井重工業が11月9日に発表した2019年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は、国内向け販売減少を海外向け販売拡大でカバーすることが出来ず、前年同期比4.7%減の128億3千万円となった。利益面では、売上高の減少と積極的事業展開の結果、営業利益は同26.9%減の9億9千万円、経常利益は同30.5%減の8億6千万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同40.9%減の4億7千万円となった。

 酒井重工業2019年3月期第2四半期データ

 4~9月期における事業環境は、北米市場が堅調に推移したものの、国内では排ガス規制特需の反動減、海外ではFRBによる利上げ加速と世界覇権をめぐる米中対立激化の影響による新興国経済の変調など、これまで順調であった世界経済に変化や調整の兆しが見られた。このような情勢の下で酒井重工業グループでは、北米向け上海工場製品のサプライチェーン修正を進めるとともに、中長期成長軌道の道筋を固めるべく、国内外における積極的営業展開、将来成長と技術革新の為の積極投資、需要変化対応力と経営基盤力の強化に向けた体質改善に取り組んできた。

■連結地域区分別売上高状況

 国内向け売上高は、昨年9月施行の大型ローラ排ガス規制特需の需要反動減に加え、公共事業の執行停滞が影響し、前年同期比17.0%減の51億5千万円となった。

 海外向け売上高は、一部新興国市場で減速の兆しが見られたものの、堅調な北米市場とインドネシア市場により、前年同期比5.8%増の76億8千万円となった。

 うち北米向けは、好調な建設投資が進む中、前年同期比6.4%増の24億2千万円。アジア向けは、メコン経済圏市場が伸び悩んだものの、インドネシアで販売を拡大し、同10.1%増の46億円。中近東・ロシアCIS向けは、不安定な地域情勢が続く中、前年同期比2.6%増の9千万円。その他市場向けは、オセアニア及び中南米で販売を拡大したものの、前年同期のアフリカ向けプロジェクト販売が剥落した結果、同21.9%減の5億5千万円となった。

<日 本>

 総売上高は排ガス規制特需の需要反動減により前年同期比7.2%減の99億8千万円、営業利益は売上高減少と積極政策の結果、同84.0%減の1億1千万円となった。

<海 外>

 米国では、総売上高は好調な市場環境により前年同期比6.0%増の24億7千万円、営業利益は原価改善により同98.7%増の2億2千万円。インドネシアでは、国内販売を拡大させた結果、売上高は同10.0%増の40億円、営業利益は同8.9%増の6億1千万円となった。中国では、米中貿易摩擦に伴う北米向け輸出縮減に伴い、売上高は同11.2%減の9億円、営業利益は同90.2%減の4百万円となった。

■2019年3月期の見通し

 今後国内では、東京五輪や度重なる自然災害の復興、国土強靭化の三ヶ年集中対策や老朽インフラの維持補修など継続的な政府建設投資が期待され、排ガス規制需要反動減をこなして回復基調に回帰するものと期待される。海外については、北米でトランプ政権の経済政策を背景とした建設投資拡大が期待される一方、アジアや新興諸国における旺盛なインフラ需要とその調整の行方、中国経済減速とその経済刺激策への期待など、世界経済の不確実性が高まりつつあり予断を許さない。

 酒井重工業グループでは、北米生産拡大による米中貿易摩擦対策の加速、業界初の緊急ブレーキ付タイヤローラ投入などによる国内販売底上げを進める一方で、中長期成長軌道の道筋づくりをしっかりと堅持すべく、引き続き国内外の積極的営業展開、将来成長と技術革新の為の積極投資、需要変化対応力と経営基盤の強化策を推し進め、この激動期を乗り越え、中長期観点から持続的成長を目指していく。

 2019年3月期連結業績は、米FRBによる利上げ加速と世界覇権をめぐる米中対立激化の影響で、アジア及び新興国市場向け販売の減速が予想されるため、売上高263億円(前回予想295億円、前期比10.9%減)、営業利益20億円(同26億円、同40.4%減)、経常利益17億5千万円(同23億円、同44.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11億5千万円(15億円、同39.1%減)と前回予想を下方修正した。

 酒井重工業の2019年3月期第2四半期決算短信

 

モバイルバージョンを終了