国際協力銀行(JBIC)は11月7日、「質高インフラ環境成長ファシリティ」(以下「QI-ESG」)*1の一環として、日本ガイシのタイ法人NGK CERAMICS (THAILAND) CO., LTD. (以下、ACTH)との間で、融資金額66百万米ドル限度(JBIC分)の貸付契約を締結したと発表した。融資は、民間金融機関との協調融資によるもの。(NGKのアジア・オセアニア製造拠点)
今回の融資は、ACTHがタイのサムットプラカーン県において行うトラックやバスなどの大型商用車向けの自動車排ガス浄化用セラミックスの製造・販売事業に必要な資金を融資するものであり、製造設備の拡張に充てられる。
近年、中国やASEANをはじめとするアジア諸国においては、経済成長や人口増加を背景に自動車需要が拡大しつつあり、それに対する排ガス規制も強化され、自動車の排ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)などの有害成分を浄化する自動車排ガス浄化用セラミックスの需要拡大が見込まれている。
日本ガイシは2015年にタイにACTHを設立し、乗用車向けの排ガス浄化用セラミックスの製造を開始したが、今回、新たに大型商用車向けの自動車排ガス浄化用セラミックスの製造ラインを導入し、アジア地域での事業拡大を企図している。融資は、こうした日本ガイシの海外事業展開を支援するものであり、日本の産業の国際競争力の維持・向上及び大気汚染防止を通じた地球環境保全に貢献するもの。
*1:JBICは2018年7月1日にQI-ESGを創設した。このファシリティは、大気汚染防止分野も含め、地球環境保全目的に資するインフラ整備を幅広く支援することを目的としている。