なお、KYB及びKYB子会社が製造した建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為については、「関係者の皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けしていることを心から深くお詫び申し上げます」としている。
KYB及びKYBの子会社であるカヤバシステムマシナリー㈱は、建築物用の免震・制振部材としてオイルダンパーを製造・販売してきたが、出荷していた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、顧客の基準値を外れた製品(以下、不適合品)を建築物(以下、不適合品が取り付けられていた建築物を「対象物件」)に取り付けていた事実(以下、本件)が判明し、国土交通省に報告を行うとともに、対応状況について、2018年10月16日に公表した。
また本件に対し、KYBは2018年10月18日時点で、所有者の了解を得た対象物件に関して2018年10月19日に公表し、その後も順次公表を進めている。なお、今後も所有者の了解を得た対象物件に関しては適宜公表していく予定。
KYBの基本方針として、不適合品は早急に交換することはもちろんとして、現在、書き換えの有無が不明な製品についても交換を前提として、引き続き調査を進めている。所有者様、居住者様の不安・心配を払拭することをKYB経営の最優先事項とし、具体的な対応方針等については、国土交通省及び関係行政機関の指導の下、建設会社、設計事務所に報告の上、安全性の検証を行い、所有者をはじめとする関係者に丁寧に説明をしていく。
また、KYBは本件の重大性に鑑み、独立性・専門性を有する外部調査委員会(委員長:森・濱田松本法律事務所弁護士:難波孝一元東京高等裁判所部総括判事)を設置し、本件の事実関係の調査、原因分析及び再発防止策の提言等を依頼している。その調査結果・提言等や社外の技術的専門家の知見等を踏まえ、適切な対策を迅速かつ真摯に進めていく。なお、外部調査委員会の調査結果等については、今後、適切な時期に公表を行う。
なお、免震・制振用オイルダンパーに係る製品保証引当金については、現時点において信頼性のある見積りが可能な費用についてのみ計上している。したがって、本件の今後の進捗により、これらに関連して発生する当該交換用製品の交換工事に要する費用及び交換工事の実施に伴って発生する補償等の付随費用が、連結業績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
■2019年3月期の見通し
4~9月期において、2018年10月16日公表の「KYB及びKYBの子会社が製造した建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為について」に関し、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの製作費用並びに免震用オイルダンパーの交換工事に要する費用を見積り、製品保証引当金繰入額144億25百万円を第2四半期のその他の費用として計上した。
これに伴い、免震・制振用オイルダンパーを製造、販売するカヤバシステムマシナリー㈱の有形固定資産につき、減損処理を実施した結果、20億43百万円も同じくその他の費用として計上した。
また、2018年11月6日公表の「米国集団民事訴訟における一部原告との和解に関するお知らせ」に記載した和解金と、本和解に伴い米国州政府の一部との間で行った和解に伴う金額の合計44億24百万円を、独占禁止法関連損失として第2四半期のその他の費用に計上した。
通期の業績予想については、営業利益以下の各段階損益において、4~9月期実績に加え、2018年11月6日公表の「オランダ子会社の解散及び清算に関するお知らせ」に関し、第4四半期に清算に伴う利益として28億円をその他の収益に計上する見込みである一方で、四輪車用油圧機器において、グローバルでの構造改革に伴う費用が発生する見通しであり、前回発表予想を大きく下回る見込みとなった。
なお、免震・制振用オイルダンパーに係る製品保証引当金については、現時点において信頼性のある見積りが可能な費用についてのみ計上している。
したがって、本件の今後の進捗により、これらに関連して発生する当該交換用製品の交換工事に要する費用及び交換工事の実施に伴って発生する補償等の付随費用について信頼性のある見積りが可能となった時点で、KYBの連結業績に重要な影響を及ぼす可能性があるとしている。
為替レートについては、通期で1USドル108円、1ユーロ129円(第3四半期連結会計期間以降1USドル105円、1ユーロ128円)を前提としている。