営業利益は国内外での増販やユーロに対する円安効果などはあったが、固定費の増加や原材料価格の上昇などにより、前年同期比8 億円(0.5%)減の1,484億円。税引前利益は、前年の金融収益に有価証券売却益が含まれていることによる金融収益の悪化などにより、前年同期比75億円(4.6%)減の1,536 億円。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を21 億円(1.9%)下回る1,059 億円となった。
■部門別の概況
<機械部門>
同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。売上高は前年同期比8.7%増加して1 兆1,396 億円となり、売上高全体の83.5%を占めた。
欧州では、ユーロやポンドに対する為替改善効果に加え、建設機械も大幅に増加した。アジアでは、米やキャッサバの価格上昇に伴う需要回復などによりタイの農業機械が伸長したほか、インドのトラクタも増加した。一方、需要の大幅な減退により中国の農業機械が減少したため、アジア全体では前年を下回った。
<水・環境部門>
同部門はパイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)により構成。
水・環境部門の売上高は前年同期比1.4%増の2,030 億円となり、売上高全体の14.9%を占めた。
国内売上高は前年同期比1.8%減の1,665 億円となった。環境関連製品や社会インフラ関連製品は増加したが、パイプ関連製品はダクタイル鉄管の大幅減により前年を下回った。海外売上高は前年同期比19.2%増の365 億円となった。中東向けのダクタイル鉄管が大幅に増加したほか、中国向けの浄化槽なども好調に推移した。
水・環境部門のセグメント利益は原材料価格の上昇やダクタイル鉄管の国内売上の減少などにより前年同期比32.9%減少して111 億円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。同部門の売上高は前年同期比1.4%増の219 億円となり、売上高全体の1.6%を占めた。セグメント利益は前年同期比19.0%減少して18 億円となった。
■2018年12月期の見通し:売上は100億円上方修正
2018 年12 月期の売上高は前回予想時(2018 年8 月2 日)から100 億円増の1 兆8,300 億円を見込んでいる。国内売上高は機械部門、水・環境部門ともに前回予想を下回るものの、海外売上高は北米を中心にトラクタや建設機械が大きく増加するため、上方修正した。
営業利益は、第3 四半期実績、売上予想などを踏まえ、前回予想と同額の2,040億円、税引前利益は2,100 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,450 億円を予想しており、いずれも前回予想を据え置いた。
業績見通しにおける想定為替レートは、1 米ドル=110 円、1 ユーロ=130 円としている。
*なお、クボタは、今年度(2018)より従来の米国基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を適用している。また、前年同四半期及び前計年度の財務数値についても、IFRS に組み替えて比較分析を行っている。