プライメタルズテクノロジーズ(以下、PT社)は11月5日、中国の鉄鋼メーカー、郎渓県鴻泰鋼鉄有限公司(Langxi County HongtaiSteel Co., Ltd.:郎渓鴻泰鋼鉄)から安徽省宣城市の製鉄所向けに新型電気炉EAF Quantum とツインレードル炉を受注したと発表した。この電気炉は、さまざまな組成や品質のスクラップ鋼を処理できるよう設計されている。スクラップの余熱により、電気炉の消費電力は大幅に低減され、操業コスト及びCO2 排出が削減可能。ツインレードル炉は、生産対象鋼種に対する鋳造温度を設定どおり正確に制御する。この新型電気型炉は、2019 年度の第3 四半期に稼働する予定。
郎渓鴻泰鋼鉄の設立は2002 年で、主に合金、ブッシングおよび圧延用ロールを含む鋳造製品を製造している。PT社は、自動スクラップヤード管理機能、自動挿入プロセス、自動ランス酸素吹き込み装置および砂充填処理を含む新型電気炉EAF Quantum とツインレードル炉の機械・電気処理装置全般に加えてインダストリー4.0(Industry 4.0)に対応するレベル2 のオートメーションを納入する。
PT社が開発した新型電気炉EAF Quantum は、実績あるシャフト炉と革新的なスクラップ挿入プロセス、高効率予熱システム、新しい傾動方式を持つ下部容器、最適化された溶解システムを装備し、出鋼間隔の大幅な短縮を実現する。従来の電気炉に比べ電力消費量が大幅に低減され、電極と酸素の消費量低減もあいまって、全体で約20%の処理コストの低減ができる。全体のCO2 排出量も従来の電気炉に比べて、粗鋼1 トン当たり最大30%削減される。