プライメタルズテクノロジーズ(以下、PT社、本社:ロンドン)は10月23日、中国の鉄鋼メーカー武漢順楽ステンレス有限公司(Wuhan ShunleStainless Steel Co. Ltd.:武漢順楽)から湖北省のステンレス製鋼所向けに新型電気炉EAF Quantum 2基とツインレードル炉2 基を受注したと発表した。
この電気炉は、さまざまな組成や品質のスクラップ鋼を処理できるよう設計されている。スクラップの余熱により、電気炉の消費電力は大幅に低減され、操業コスト及びCO2 排出が削減可能。ツインレードル炉は、生産対象鋼種に対する鋳造温度を設定どおり正確に制御する。この新型電気炉は、2019 年度の第3 四半期に稼働する予定。
武漢順楽は、ねじ用鋼、線材、鋼管、炭素鋼、合金鋼、ステンレススチールおよびその他の製品を製造・販売する鉄鋼メーカー。PT社は、自動スクラップヤード管理機能、自動挿入プロセス、自動ランス酸素吹き込み装置および砂充填処理を含む新型電気炉EAF Quantum とツインレードル炉の機械・電気処理装置全般に加えてインダストリー4.0(Industry 4.0)に対応するレベル2 のオートメーションを納入する。
PT社が開発した新型電気炉EAF Quantum は、実績あるシャフト炉と革新的なスクラップ挿入プロセス、高効率予熱システム、新しい傾動方式を持つ下部容器、最適化された溶解システムを装備し、出鋼間隔の大幅な短縮を実現する。従来の電気炉に比べ電力消費量が大幅に低減され、電極と酸素の消費量を低減もあいまって、全体で約20%の処理コストの低減ができる。全体のCO2 排出量も従来の電気炉に比べて、粗鋼1 トン当たり最大30%削減される。
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリング及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナー。同社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションを届ける。同社は、㈱日立製作所ならびに㈱IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメンスVAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社。出資比率は三菱日立製鉄機械が51%、シーメンスが49%。従業員数は全世界で約7,000 人。
公式ウェブサイト:www.primetals.com