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IHI、キャタピラーに小型エンジン事業を譲渡-シバウラブランドは新会社「パーキンスジャパン」が引き継ぐ

 ㈱IHIは9月27日、100%子会社である㈱IHIアグリテック(IAT、本社:北海道千歳市)が行っている産業用エンジンを中心とする小型原動機事業を米国キャタピラー社(Caterpillar)へ譲渡する契約を締結したと発表した。譲渡完了日は、2018年12月末を予定している。なお、Caterpillarと共同で事業を行っている、英国、米国、中国の合弁会社におけるIATの持分は9月27日付でCaterpillarへ譲渡した。譲渡価格は譲渡先との守秘義務契約により 非開示としている。

 近年、世界的にディーゼルエンジンに対する排ガス環境規制の強化が進んでおり、同業界では競争激化に加え、次世代環境規制対応型エンジンの開発費およびリソース確保の負担は年々大きくなっている。このような状況のもと、IHIおよびIATは、海外における小型原動機製造・販売会社の合弁先である英国Perkins社および同社の関連会社の親会社Caterpillarから、同事業の譲渡に係る提案を受け、Caterpillarへの事業譲渡を行うことに合意した。

 IATの小型原動機事業を承継するCaterpillarは、建設機械および鉱山用機械の世界最大手であり、ディーゼルおよび天然ガスエンジン等の製造・販売についてもグローバルに展開している。今回の事業譲渡により、Caterpillarのグローバルなリソースの活用と同社が持つ中大型エンジンのノウハウとIATの小型エンジンのノウハウが組み合わされ、幅広いラインアップが実現することにより、両社の顧客に対してさらなる価値の提供が可能になる。

 譲渡完了日以降は、現在IATが実施しているシバウラブランドのエンジンの製造・販売およびアフターサービスは、新たに設立されたCaterpillarの子会社(パーキンスジャパン合同会社)に引き継がれる。小型原動機事業の顧客に対しては、同社が責任をもって、引き続き製品の製造・販売およびサービスを提供していく。

 IATは、2017年10月に、主に小型原動機、芝草・芝生管理機器を扱う㈱IHIシバウラと、農業機械を扱う㈱IHIスターを統合・設立した会社。IATは、今回の事業譲渡により、農業機械ならびに芝草管理機械分野を中心に事業を行っていく。

 IHIは、「IHIグループ経営方針2016」において収益基盤の強化を図るべく新たにポートフォリオマネジメントを取り入れ、事業の選択と集中を進めてきたが、今後もこの施策を積極的に推進し、収益力の強化と競争力の向上に努める。

■新会社概要

<パーキンスジャパン合同会社>

所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目7番1号

代表者:職務執行者 三浦淳生

設立年月日 :2018年8月1日

事業内容:オフハイウエイディーゼルエンジンの販売

■会社概要

<株式会社IHIアグリテック>

所在地 :北海道千歳市上長都1061-2

代表者:代表取締役社長 宮原 薫

資本金:1,111百万円(2018年3月末)

売上高:27,200百万円(2018年3月期)  

従業員数:618名(2018年3月末)

事業内容:農業用機械(ロールベーラ、へーベーラ、ブロードキャスタ等)、芝草・芝生管理機器、エンジン、殺菌・脱臭機器、素形材、電子制御装置の開発・製造・販売

<Caterpillar Inc.>

所在地:510 Lake Cook Road, Suite 100, Deerfield, Illinois U.S.A. 60015

代表:グループプレジデント Ramin Younessi

事業内容:建設および鉱山用機械、ディーゼルおよび天然ガスエンジン、産業用ガスタービン、ディーゼル電気機関車の製造。金融関連部門より金融および関連サービスの提供。

<Perkins Engines Company Limited >

所在地:Peterborough, United Kingdom

代表者:プレジデント Steve Ferguson

事業内容:オフハイウエイディーゼルエンジンの開発・製造・販売

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