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大王製紙、約19億円投じて製紙排水を利用したバイオマス燃料製造設備を設置

・国内最大級の嫌気処理設備として2020年稼動予定

 大王製紙は9月25日、クラフトパルプ製造工程で発生する排水からバイオガス※1を取り出す設備を三島工場(愛媛県四国中央市)に設置すると発表した。この設備は、住友重機械エンバイロメント(本社:東京都品川区)の嫌気性処理システム(バイオインパクト)の技術を利用したもので、国内最大級の嫌気処理設備となる予定。

 設備で取り出したバイオガスは、三島工場内にある石灰焼成キルン※2で使用する重油の代替燃料として有効利用する。これにより、①CO2排出量削減(年間約15,000トン、排水負荷低減などの環境負荷低減効果、及び②操業コスト低減などが期待されている。

 三島工場は従来よりクラフトパルプ製造工程で発生するパルプ廃液(黒液)※3を黒液回収ボイラーで燃焼し、エネルギーを回収するバイオマス発電を行ってきた。その黒液に加えて今回の事業は、メタン成分を含んだクラフトパルプ排水からメタンガスを取り出すことにより、更なる再生可能エネルギーの有効利用を図るもの。

 今回の事業は再生可能エネルギー活用の先導事例として、経済産業省の「平成30年度 再生可能エネルギー熱事業者支援事業補助事業」に採択されている。また、愛媛県のバイオマス活用推進計画における推進事業の一つとしても認定されており、官民一体で進めていく事業。同社では、今後も大王製紙グループは、再生可能エネルギーの有効利用を通じて、環境負荷低減の取り組みを継続していく。

※1 有機物を発酵させたときに発生するメタンを主成分とするバイオマス由来のガス

※2 クラフトパルプ製造工程で使用する石灰を焼成して再利用する設備

※3 〃 で木材から繊維を取り出した時に出る廃液でバイオマスの一種

<事業の概要>

総工費:約19億円

設置場所:大王製紙三島工場(愛媛県四国中央市)

重油削減量:約5,000kl/年

稼動時期:2020年10月予定

 ニュースリリース

 

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