三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は8月29日、中国東方電気集団有限公司および四川省投資集団有限責任公司との3社で、四川省投資集団が同省で計画する火力発電所に最新鋭のJ形ガスタービンを採用するモデルプロジェクトについて、28日、都内で四川省の省長立ち会いの下、MOU(覚書)に調印したと発表した。MHPSは、東方電気集団と2003年以来大型ガスタービンのライセンス供与を順次拡充してきており、今回の連携強化は高効率機種に対する需要が一層高まる中国のガスタービン市場の中で重要な位置を占める東方電気集団および四川省投資集団との関係を深め、四川省の発展に一層貢献していくのが狙い。
J形ガスタービンは、MHPSの最新鋭・高効率ガスタービンで、環境負荷低減のために高効率ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電の導入を進めている四川省政府の方針に適した機器。今回合意されたMOUに基づき、MHPSは、東方電気集団がJ形ガスタービンを製造するための体制整備に向け、技術支援する。
東方電気集団は、四川省に本拠を構え中国中央政府の管理監督を受ける有力国有企業(中央企業)。東方電気集団のグループ会社である東方タービン(東方汽輪機有限公司:Dongfang Turbine Co.,Ltd.)は、MHPSのライセンシーとしてこれまで70基以上の大型ガスタービンを受注。今年3月にはMHPSが東方電気集団との協業を強化する目的で、成都市内にMHPS成都イノベーションセンターを開設し、両社共同で現地の発電設備新設・改修計画などへの提案・サポート活動や現地調達業務の支援を手掛けている。また、MHPSと東方タービンは、2004年に合弁で設立した三菱重工東方燃汽輪機(広州)有限公司(Mitsubishi Heavy Industries Dongfang Gas Turbine(Guangzhou)Co.,Ltd.)を活用し、中国国内の顧客に迅速に対応できるアフターサービスを提供している。
MHPSは今後も、東方電気集団とともに、伸張を続ける中国ガスタービン市場におけるシェア拡大に努め、同国のエネルギー効率向上や環境負荷低減、地域経済・産業振興などに協力していく。