kikai-news.net

酒井重工業、4~6月売上は2.5%増の63億円、通期見通しは変わらず

 酒井重工業が8月10日発表した2019年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高は前年同期比2.5%増の63億2,000万円となった。利益面では、積極的事業展開と政策的費用の増加により、営業利益は同1.3%減の5億3,000万円、経常利益は同1.9%減の4億9,000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は税負担等の増加により同32.3%減の2億円となった。

 酒井重工業2019年3月期第1四半期データ

 4~6月期における事業環境は、日米先進国経済が好調に推移するとともに、アジア諸国の内需拡大が継続し、新興国経済も回復傾向を示すなど、総じて順調に推移した。酒井重工では、中長期成長軌道の道筋を固めるべく、国内外における積極的営業展開、将来成長と技術革新の為の積極投資、需要変化対応力と経営基盤力の強化に向けた体質改善に取り組んだ。

■地域別売上・利益状況

 国内向け売上高は、昨年8月末の大型ローラ排ガス規制駆け込み需要の反動減で、前年同期比13.0%減の21億2,000万円となった。

 海外向け売上高は、全世界的に順調な事業環境が続き、同12.7%増の42億円となった。北米向けは、好調な建設投資が続く中、同15.8%増の15億1,000万円。アジア向け、インドネシア市場が拡大基調に推移し、同11.3%増の23億9,000万円。中近東・ロシアCIS向けは、不安定な市場環境が続く中、同28.4%増の6,000万円。その他市場向けは、アフリカ、大洋州向け販売が伸び悩んだものの、中南米向け販売が好調に推移し、同3.3%増の2億2,000万円となった。

日 本:総売上高は国内特需の反動減と輸出拡大により、前年同期比0.4%増の47億4,000万円、営業利益は積極政策と一時的費用増加の結果、同92.5%減の1,000万円となった。

海 外:米国では、好調な市場環境により総売上高は前年同期比15.4%増の15億3,000万円、営業利益は原価率改善により同 93.0%増の1億7,000万円となった。インドネシアでは、国内販売、第三国輸出ともに好調に推移し、総売上高は同34.6%増の23億円、営業利益は同60.3%増の3億6,000万円となった。中国では、北米輸出を見直す中で国内販売を伸ばし切れず、総売上高は同19.0%減の4億4,000万円、300万円の営業損失となった。

■2019年3月期見通し

 今後国内では、足下の東京五輪や度重なる自然災害の復旧工事とともに、老朽化インフラの維持補修工事が控えており、安定的な政府建設投資が継続するものと予想される。海外では北米の大型減税と更なる建設投資拡大、アジア諸国における内需拡大政策、中国経済刺激策と新興国経済の回復見通しなど、市場環境は引続き緩やかな拡大基調に推移するものと期待される。

 しかし、米中貿易戦争勃発に伴う報復合戦と保護貿易主義の高まり、イランや北朝鮮をめぐる不安定な地政学情勢、欧米の超低金利政策からの転換、西日本豪雨など世界的な異常気象に伴う自然災害多発など、様々な変化の兆しが見られ先行きに予断は許さない。

 酒井重工業は、米中貿易戦争と需要急変への備えを固めつつも、中長期成長軌道の道筋づくりを進める方針を堅持し、国内外における積極的営業展開による前年度売上水準の足場固め、将来成長と技術革新のための人材、設備能力、次世代技術への積極投資、そして需要変化対応力と経営基盤力の強化策を推し進めることにより、この激動期を乗り越え、中長期的観点から持続的成長を目指していくとしている。

 2019年3月期連結業績は、 2019年3月期連結業績は、売上高295億円(前期比横ばい)、営業利益26億円(同22.6%減)、経常利益23億円(同26.9%減)、親会社株主に帰属する当期利益15億円(同20.6%減)と5月11日公表値を据え置いている。

 酒井重工業の2019年3月期第1四半期決算短信

 

 

モバイルバージョンを終了