三井金属鉱業は8月2日、MLCC(※1)向けアトマイズ銅粉の生産能力を約50%増強することを決定したと発表した。
三井金属鉱業は、MLCCの外部電極向け銅粉のトップメーカーであり、水アトマイズ法(※2)による微粒銅粉(以下、アトマイズ銅粉)と湿式還元法による銅超微粉(以下、湿式銅粉)の2つの製法の銅粉末を製造している。アトマイズ銅粉は、機能材料事業本部機能粉事業部の神岡鉱業㈱金属粉工場(岐阜県飛騨市)、湿式銅粉は、同事業部の彦島製錬㈱機能粉工場(山口県下関市)で製造している。
昨今、自動車の電装化(ADAS(※3),xEV(※4))、スマートフォンの高機能化(5G対応)、家電製品のIoT化等を背景にMLCCの需要が急拡大しており、将来の更なる需要増に備えたアトマイズ銅粉の生産体制の増強が必要と判断した。
三井金属鉱業は、神岡の生産能力増強に加えて、彦島にアトマイズ銅粉の新工場を建設することとし、アトマイズ銅粉の生産能力を両工場合わせて約50%増強する。神岡は、2019年4月増強完了、彦島は、2020年4月稼働開始を予定している。
なお、湿式銅粉については、2018年2月1日付けで発表のとおり、彦島で製造ライン増設による生産能力の40%増強を進めており、2018年9月稼働開始を予定している。
※1 MLCC … 積層セラミックコンデンサ、「Multi-Layer Ceramic Capacitor」の略
※2 水アトマイズ法 … 高温で溶解した金属の溶湯に高圧水を噴射・衝突させて、金属粉
末を製造する製法
※3 ADAS … 先進運転支援システム、「Advanced Driver Assistance System」の略
※4 xEV … 電動化車両(EV,ハイブリッド,プラグイン・ハイブリッド車)の総称