■営業利益は85.8%増の960億円、営業利益率は14.9%
利益面は、各地での売上げの増加や昨年4月より連結に加わったコマツマイニング(旧・ジョイ・グローバル)において買収に係る一時費用の減少などがあったことにより、営業利益は960 億円(前年同期比85.8%増)となった。売上高営業利益率は前年同期を5.7 ポイント上回る14.9%、税引前四半期純利益は929 億円(同93.2%増)、コマツ株主に帰属する四半期純利益は629 億円(同73.0%増)となった。
なお、2019年3月期(18年度)の業績と建設機械・車両部門における世界需要見通しは、4月26日公表時の見通しを据え置いた。
【建設機械・車両】
今年4 月より、国内において建設機械の販売・サービスを手がけるコマツ建機販売、同じくレンタルを行うコマツレンタル、また、フォークリフトの販売・サービスおよびレンタルを手がけるコマツリフトを統合し、コマツカスタマーサポートとした。3 社が統合し連携することで、変化する外部環境への対応を図るとともに、顧客へのサポート体制を強化することで、より一層顧客に満足度を高めていく。
また、2015 年2 月にスタートした建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を着実に推進し、これまでに5,500 を超える現場に導入した。同事業については、今年5 月より、新サービス「EverydayDrone」を開始した。同サービスは、自動運航する専用ドローンと、現場で高速にデータ処理ができるエッジコンピューティングを使うことで、これまで丸1 日かかっていた現場の3D 現況測量データ生成を約30 分で完了できるようにするなど、現場の進捗管理を日々可能にした。コマツは今後も建設現場に最適なサービスの提供を加速させていく。
■地域別概況
<日 本> 主に昨年9 月に施行された新排出ガス規制に伴う駆け込み需要の反動減などの影響により、売上げは前年同期を下回った。
<米 州> 北米では、エネルギー関連やインフラ工事関連を中心に需要が引き続き好調であり、売上げは前年同期を上回った。中南米は、ブラジルの一般建機とチリ、ペルーの鉱山機械の需要が増加したことなどにより、売上げは前年同期を上回った。
<欧州・CIS> 欧州では、主要市場であるドイツを中心に需要が堅調であり、売上げは前年同期を上回った。CIS では、石油ガス関連工事を中心に一般建機の需要が伸長したことや、石炭・金鉱山を中心に鉱山機械の需要が引き続き好調であり、売上げは前年同期を上回った。
<中 国> 中国では、前年同期より需要の伸び率は鈍化しているものの、引き続き全国的にインフラ工事が進行していることにより好調に推移し、売上げは前年同期を大幅に上回った。
<アジア・オセアニア> アジアでは、石炭価格の上昇に伴い、最大市場であるインドネシアで鉱山機械の需要が引き続き好調であることなどから、売上げは前年同期を大幅に上回った。オセアニアでは、一般建機・鉱山機械ともに需要が増加したことにより、売上げは前年同期を上回った。
<中近東・アフリカ> 中近東では、イエメンの内戦に伴う各国政府の緊縮財政の影響などにより、公共工事の需要が減少したことから、売上げは前年同期を下回った。アフリカでは、南アフリカでの鉱山機械の需要が増加したことなどにより、売上げは前年同期を上回った。
【リテールファイナンス】
リテールファイナンス部門では、北米において増収となったが、前年同期にチリでのリース契約の中途解約に伴う中古車売上という特異要因があり、売上高は142 億円(前年同期比18.8%減)となった。セグメント利益は、中国で2016 年度に貸倒引当金を計上した債権について一部回収が実現し、引当金の戻しを行ったことなどにより、54 億円(前年同期比65.2%増)となった。
【産業機械他】
産業機械他部門では、好調な半導体市場に伴うエキシマレーザー関連などの販売増加により、売上高は412 億円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益は30 億円(前年同期比27.4%増)となった。
コマツNTCでは、ハイブリッド車やEV(電気自動車)に使用されている車載電池の製造用設備である、レーザーを用いたタブ成形装置を今年6 月に車載電池メーカーへ試験導入した。自動車のEV化を見据えて、同社とコマツグループの技術を活用した商品の市場導入を進めていく。
また、コマツ産機では、拡大するアジア市場における産業機械の販売・サービス強化のため、今年4 月にベトナムに連絡事務所を開設し、同6 月にはタイに支店(展示場)を増設した。