日揮は7月23日、日揮が筆頭株主として参画するアル・アシーラ・デサリネーション・カンパニー(Al Asilah Desalination Company S.A.O.C)は、オマーン国東部のシャルキア地区における海水淡水化事業をオマーン電力・水公社(Oman Power and Water Procurement Company S.A.O.C)より受注し、7月11日に同事業向けプロジェクトファイナンスの融資契約を締結、事業を本格的に実施していく運びとなったと発表した。
この事業は、オマーン国東部のシャルキア地区において、約20万人分の生活用水に相当する日量約80,000立方メートルの処理能力を有する逆浸透膜方式の海水淡水化設備を建設し、20年間にわたる同設備の保守運転を含む事業運営を行うBOO(Build・Own・Operate)事業であり、2021年4月から商業運転を開始する予定。
総事業費約200億円のうち一部は、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行、新生銀行によるプロジェクトファイナンスを利用し、日本貿易保険による海外事業資金貸付保険が付保される。
事業権の取得に際しては、エンジニアリング会社である日揮の知見を活かし、事業者としてプラントの省エネルギー化と効率的な運転・保守の思想を取り入れることによって、売水単価の低減を実現したこと等が評価されたものと認識している。プラント建設は、中東のほか世界各地で海水淡水化設備の建設実績を持つ、韓国・斗山重工業を起用する。
オマーンでは、今後水需要が年間約6%増加すると予測される等、人口増加や都市化を背景に水需要は年々増加しており、生活用水の確保が喫緊の課題となっている。日揮は、過去に蓄積したプロジェクト遂行・事業運営のノウハウを活用し、円滑な事業運営を実現し、同国のさらなる発展に寄与していく。
<アル・アシーラ・デサリネーション・カンパニーの概要>
英文:Al Asilah Desalination Company S.A.O.C
▽出資比率:日揮/75%、ユナイテッド・インフラストラクチャー・デベロップメント・カンパニー(United Infrastructure Development Company、オマーン国の財閥企業バーワン・エンジニアリング・グループ(Bahwan Engineering Group, Oman)の傘下企業)/20%、韓国・斗山重工業(Doosan Heavy Industries & Construction Co., Ltd.)/5%