北京億美博科技有限公司(AEMETEC CO., Ltd、以下:億美博)と三一集団有限公司(Sany Group)は7月5日、北京の⾧城飯店で「建設機械用デジタル油圧応用プロジェクト」に関する戦略的協力協定の調印式を行ったと複数の現地メディアが報じた。
この協定は、億美博が中国の建設機械用油圧技術のグレードアップや改革の技術的実力を擁していることを示しているだけでなく、三一集団が打ち立てたプラットフォームに包容され、共に享受することが出来、“外脳”(外国または他地からの人材の喩:専門家)を効果的に利用できる、オープンマインドも示している。
三一集団副総裁の鐘衛華女士と億美博総経理の楊涛氏が双方を代表して、「建設機械用デジタル油圧応用プロジェクト」に関する戦略的協力協定に調印した。(全2,894字)
調印式には、⾧沙市政治協商会議主席、⾧沙市行程機械産業鏈聯点(⾧沙市建設機械産業チェーン連絡所)リーダーの文樹勛、⾧沙市行程機械産業鏈推進弁公室(⾧沙市建設機械産業チェーン推進事務局)主任、⾧沙経済開発区党工作委員会委員、管理委員会副主任の常利民、⾧沙市政治協商会議経済貿易促進弁公室主任の謝建功、⾧沙市政治協商会議弁公庁秘書処幹部の朱虹林、⾧沙経済開発区招商合作局副局⾧の周枝東、⾧沙行程機械産業鏈推進弁公室の黄訓などの地方指導者、そして、三一集団の副総裁の鐘衛華、三一集団総裁助理の劉永東、三一集団産業発展センター総監の熊俊、三一集団産業発展センター産業マッチングリーダー(中:対接負責人)の李雪娥ら三一の上級管理職、北京億美博科技有限公司董事兼総工程師の楊世祥、北京億美博科技有限公司総経理の楊涛、北京億美博科技有限公司戦略発展顧問の鄭賢玲、天津億美博数字装備科技有限公司廠⾧(工場⾧)の房興玉、北京億美博科技有限公司投資合作負責人(合作投資リーダー)の王靱、北京億美博科技有限公司投資軍工負責人(軍需産業投資リーダー)の王軍ら億美博の上級管理職が参加した。
また、「今日行程機械」誌、「匠客行程機械与第一行程機械網」などの業界メディアもこの会に参加した。
調印式は鄭賢玲女史が主催し、同女史は、億美博のデジタル油圧技術は、「インダストリー4.0」の重要なベース技術のモデルであり、三一集団との製品、ルートなどの優位と強い相互補完が出来、双方の強者同士の協力は、必ずや中国建設機械用の重要な油圧機器分野の生態系を変えるであろう」と指摘した。
■三一集団産業発展中心総監が双方合作の由来を紹介
文樹勛主席は、双方の今後の想像力と協力スペースに対して大きな期待を寄せ、「地方政府としての⾧沙市は産学研が当地に定住することを奨励しており、資金と人材紹介政策などで強力な支援を与える」と述べた。
続いて、北京億美博科技有限公司総経理の楊涛は、座談会の席で、億美博と三一集団との今後の協力計画について詳しく紹介した。
氏は、双方の合弁会社は、三一の強力な市場拡販能力と幅広い建設機械市場に託し、それに国際的にトップレベルにある億美博のデジタル油圧技術とイノベーション能力を持って、建設機械産業のグレードアップを実現し、既存製品の迅速なデジタル化、情報化とインテリジェンス化を達成させ、コア技術における国外の先見を打ち破り、製品の競争力と収益能力を高めて、イノベーション主導の開発を実現する。双方は、建設機械ロボット研究員とコア要素部品の産業化を協力して創出すると述べている。
三一集団総裁助理の劉永東は、三一が過去に油圧機器の開発で停滞した経験を紹介し、億美博のデジタル油圧技術に対する今後の応用空間を肯定し、双方は既存の製品シリーズで研究成果の転化を迅速に実現できると述べた。
座談会の後、会に参加した来賓は、北京億美博科技有限公司を参観し、億美博の主要製品と応用プロジェクトの開発進捗状況を詳しく見学した。
当日午後、会に参加した来賓は、天津に赴き、億美博天津の生産基地を実地視察し、同生産ライン、生産プロセスと製造能力について、より正確に認識した。
■億美博の工業の4.0(Industry 4.0)について
億美博は、工業の4.0 の共通性要素機器部品であるデジタル油圧を中核として、各種機械とシステム設備のために、正確で信頼性が高く、効率的で費用効果の高いデジタル伝動およびインテリジェント化制御製品とソリューションを提供することに尽力している。
同社は、冶金、軍需産業、重機設備、エネルギー、建設機械、ロボットなど個々の市場の顧客固有のカスタマイズされたシステムソリューションおよび製品とサービスのために、多くの業界での応用経験を統合して、研究開発を実践しており、「国家重点新産品」証書、2件の国際的先進レベル評価を獲得し、「国家科技攻関計劃」(国家科学技術研究プログラム)、「国防重点工程」(国防重点プロジェクト)、「863 攻関」、「985 攻関」などのプロジェクトを請け負った。
億美博は、ユーザーのために精密油圧、電気動力伝達と情報化及びインテリジェンス化制御の統合技術を提供した。
億美博社が開発したデジタル油圧シリンダは、各種バルブとセンサーを必要とせず、巧妙な設計により、シリンダ、サーボバルブ、センサーの機能を集めて一体化されおり、シリンダの作動速度、位置は自身に内蔵するセンサー機構によりクローズドループで行い、必要とする最終控制目標に対して控制を行うのに、受動的閉ループ控制を主動的開ループ控制に変えて、コンピュータにより直接指令している。これは、新しい控制概念であり、従来の控制概念に対する大きなブレークスルーである。
これにより油圧システムの設計が大幅に簡素化されるだけでなく、同時に制御設計も大幅に簡素化されて、信号の伝達からアクチュエータ機構までのプロセス全体のデジタル化が実現することにより、システムは、強力なノイズ干渉防止能力、正確で安定した作動、構造が簡単、メンテナンスが容易、投資が安いなどの特性を持っており、従来のサーボシステム固有の克服し難い耐干渉性やコンタミに対する能力が劣る、ゼロドリフト、温度ドリフト、振動などを起こし易い等の問題を解決している。
現在の油圧産業の品種と規格からを見ると、製品だけで1,500 種類、15,000 余の規格がある、産業技術全体のレベルをグレードアップしようとすると相当難しい。しかし相対的にデジタルシリンダは、その機能のカバー面が広く、単一製品で多くの製品の機能を組み合わせて実現できるので、このデジタル化を通じて産業全体のグレードアップが容易に達成できる。デジタル油圧は、上述のイノベーションの発展動向を一気に達成した。