日本貿易保険(NEXI)は7月13日、トルクメニスタン国営電力公社トルクメンエネルゴが、同国レバップ州で建設する天然ガス焚き火力発電所プロジェクトにおいて民間金融機関が行う融資に対して、融資保険の引受を決定したと発表した。
NEXIとトルクメニスタン国立対外経済関係銀行(The State Bank for Foreign Economic Affairs of Turkmenistan、”TFEB”)は、2015年10月に両国の貿易・投資促進に向けた協力のため書覚1(MOU:Memorandum of Understanding)を締結している。トルクメニスタン政府からも日本企業による輸出拡大に向けた強い支援要請が示される中、同プロジェクトは同MOUに基づき引受を行う第1号案件。
プロジェクトは、住友商事がEPCコントラクターとして参画し、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)製のガスタービン及び発電機一式(約400MW相当)を納入するもの。この発電プラントの設備等購入代金及び建設資金について、国際協力銀行(JBIC)、三井住友銀行(幹事行)及びアイエヌジーバンク エヌ・ヴィ 東京支店が融資を行い、NEXI はこのうち民間金融機関の融資(約120億円)に対し保険を引き受ける。また、TFEBおよび幹事行との間で個別にSupplemental Agreement2を締結している。
トルクメニスタンは隣国のアフガニスタンとの間で電力供給契約を締結している。プロジェクトは、同契約に則り、アフガニスタン向け電力輸出を目的として実施されるものであり、復興プロジェクトの一環として、アフガニスタンの社会経済の安定・発展に資することが期待される。また、世界第4位の天然ガス埋蔵量を有するトルクメニスタンにとっても、プロジェクトは国内天然ガスの利用推進に向けた重要なプロジェクトといえる。
住友商事は新興国における電力市場開拓に注力的に取り組んでおり、同プロジェクトは同社の中央アジアにおける電力インフラ関連ビジネスの拡大に資するもの。また、高効率のMHPS製ガスタービンの納入は、トルクメニスタンにおける資源利用の更なる効率化及び環境負荷の低減に寄与するものであり、本件をきっかけとして、今後日本–トルクメニスタン間の貿易・投資の更なる活発化が期待される。さらには、トルクメニスタンを含む中央アジア地域における、日本企業の国際競争力の強化にもつながることが期待される。