AGC(旧社名:旭硝子)は7月12日、千葉工場(千葉県市原市)のGMP対応合成医薬品中間体・原薬の製造設備を大幅増強することを決定したと発表した。今回の設備増強に伴い、AGCのGMP対応合成医薬品製造能力は約10倍になる。2019年10月より稼働を開始する予定。
AGCは、1980年代に医農薬中間体・原体のCDMO事業を開始した。AGCの特長であるフッ素化技術と自社創薬を含む豊富な経験から、顧客のニーズに合わせた様々なサービスを提供している。
これまでは主に開発医薬品のCDMO事業を行ってきたが、今回の増強により、開発医薬品から商用医薬品まで一貫して生産できる体制を構築し、より高度なワンストップソリューションを提供する。また本設備は抗がん剤等に代表される、高薬理活性医薬原体などの取扱いの難しい原薬も製造可能で、顧客の幅広い要望に応えることが可能。
AGCグループは、経営方針AGC plusの下、ライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付けている。今後も大きな需要の伸びが見込まれる医薬品中間体・原薬CDMO事業に対し、必要な設備投資を実施していく。
・GMP:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(Good Manufacturing Practice)
・合成医薬品の中間体・原薬:化学合成により製造された医薬品の中間体・原薬
・CDMO:製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社(Contract Development & Manufacturing Organization)