デンカは7月9日、連結子会社であるデンカ生研(東京都中央区)新潟工場(新潟県五泉市)にインフルエンザワクチン新規製造設備を建設、インフルエンザワクチン供給能力を増強すると発表した。投資規模は関連投資を含めて約160億円。
デンカはインフルエンザワクチンの主要供給メーカーの1社として、既存設備での増産と安定供給に努めてきが、近年は顧客が期待する量の製品を必ずしも十分に供給できない状況となっている。そのため、顧客ニーズに応えるための抜本策として、インフルエンザワクチン原液製造新棟を建設し、供給能力の増強を行うことを決定した。
今回の設備建設は、ワクチン供給能力の増強に加えて、早期出荷の実現や安定した生産体制の構築、薬事コンプライアンス体制の高度化などを目的としており、これらによってインフルエンザワクチン事業の強化発展を図っていく。
デンカグループは経営計画“Denka Value-Up”においてヘルスケア領域を重点分野と位置づけ経営資源の集中を進めている。そして、感染症の中でも社会的影響の特に大きいインフルエンザを重点疾患として、ワクチンだけでなく迅速診断キットなどの製品を供給し、中国、韓国、タイなど海外展開も積極的に進めている。今回の設備投資に加え試薬関連でも新製品の投入を進めることで、現在約130億円の売上規模のインフルエンザ関連事業を200億円まで拡大していくことを計画している。
<設備投資概要>
設備能力:現在の原液製造設備(新潟工場36号棟)の2倍
稼動時期:2018年度中の着工、2022年シーズン供給開始を目標とする。
投資規模:約160億円(関連投資を含む)
<設備概要>
建設場所:デンカ生研株式会社新潟工場内(新潟県五泉市)
建物規模:建築面積:2,226㎡、延床面積:12,010㎡、地上6階建て
設備内容:インフルエンザワクチン原液製造設備、破傷風トキソイド製造設備、品質管理部門等