三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は7月4日、トルコの独立発電事業者(IPP)であるゲルマット社(GÜRMAT ELEKTRİK ÜRETİM A.Ş:Gurmat Electric Generation Co. Inc.)から、ゲルメンチック(Germencik)地熱発電所の長期にわたる部品管理・保守サービスを受注し、2日(現地時間)に契約を締結したと発表した。出力4万7,500kWの蒸気タービンを中核とする2ヵ所の発電設備が対象で、MHPSの地熱発電設備についての技術力が評価されたもの。
この発電所は、エーゲ海に近い同国第3の都市イズミル(Izmir)の南約60kmのアイディン(Aydin)県にある。1号機(設備名:Galip Hoca)ならびに2号機(同Efe-1)ともに、MHPSが受注し2009年および2015年からそれぞれ商業運転を続けている。蒸気タービンはMHPSの長崎工場で製作。発電機は三菱電機製。
今回の契約は、当面の契約期間が7年で、MHPSの欧州法人を通じて締結。技師の派遣を含め、同地熱発電所の長期にわたる部品管理・保守を支援していく。今回の受注は、MHPSの長崎工場が培った高い専門知識と製品の品質、欧州サービス部門の優秀な人材を活用したサービス提案が高く評価されたもので、MHPSの地熱発電所向けサービスにとって画期的な成果といえる。
地熱発電は、地中深くのマグマに由来する熱水を蒸気として取り出しタービンを駆動させて発電するもの。発電自体からCO2を排出しない再生可能エネルギーでは、天候などに左右されにくく24時間安定的に発電できることから、地熱資源に恵まれた国や地域で今後拡大が期待されるクリーンエネルギーといえる。
MHPSは、地熱発電分野では、これまで世界13ヵ国から100件を超える受注実績を持っている。その総設備容量は300万kW超に達しており、世界の地熱発電設備容量の実績でトップクラスのシェアを確保している。