昭和電工は7月3日、パワー半導体の材料である炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウェハー(エピウェハー)の高品質グレードエピウェハ―「ハイグレードエピ(HGE)」について、追加増強を決定したと発表した。昭和電工の月産能力は今年9 月に現在の5,000 枚から7,000 枚に拡大するが、今回の追加増強により、2019 年2 月には9,000 枚まで到達する予定。(注1)
SiC パワー半導体は、現在主流のSi(シリコン)製に比べ耐高温・耐電圧・大電流特性に優れた半導体で、電力制御に用いるモジュールの軽量・小型化と省エネルギー化に貢献することから、次世代パワー半導体として注目されている。新エネルギーの分散型電源やデータセンターのサーバー用電源、鉄道車両のインバータモジュールに加え、急速に伸長する電気自動車市場においても、車載充電器や急速充電スタンドでSiC パワー半導体への切り替えが進んでいる。
昭和電工のSiC エピウェハー事業は、業界最高水準である HGE の欠陥密度の低さと高い均一性において高い評価を得られている。昭和電工は2017 年9 月と2018 年1 月の2 回生産能力の引き上げを決定(注2)したが、SiC パワー半導体市場の急成長に伴う客先からの旺盛な需要に応えるため、今回さらなる投資を決定した。
昭和電工は引き続きSiCエピウェハーにおけるトップレベルのシェアと品質の維持向上に取り組み、需要の高まるSiC パワー半導体市場へタイムリーで安定的な製品供給に努めていく。
(注1)1,200V 耐圧用デバイス仕様での換算
(注2)2018 年1 月23 日発表「パワー半導体用SiC エピウェハー高品質グレード品追加増強を決定」