㈱島津製作所は6月26日、欧州地域でターボ分子ポンプのサービスを手がけるドイツのinfraserv Vakuumservice GmbH社(以下:IVG社)の全株式を取得する契約を締結したと発表した。所定の手続きを経て7月に同社を子会社化する計画。投資額(買収価格および増資の合計)は約460万ユーロ(約5億9,800万円)。
AIやIoT関連技術の発展によってさらなる成長が見込まれる半導体市場において、超高真空環境を作り出すターボ分子ポンプは、半導体製造装置への組み込み用途を中心に需要が急増している。島津製作所のターボ分子ポンプ事業においても、2017年度の売上高が前年度比で約34%拡大した。
今後も半導体市場の継続的な成長が想定される欧州地域へのターボ分子ポンプの販売は主に北米の子会社が担っていたが、ターボ分子ポンプ事業の拡大のために、現地での販売体制の強化と迅速な技術サポート体制の構築が課題だった。
IVG社は、欧州の大手半導体メーカーや装置メーカーが使用する真空機器のサービスを手がけており、顧客との良好な関係性と高い技術レベルを有している。また、島津製作所は、以前からターボ分子ポンプのサービスを同社に委託していた。
このような背景のもと、島津製作所はIVG社を買収して販売機能を付加し、欧州地域におけるターボ分子ポンプの販売・サービス体制を強化する。これまで北米の子会社が担っていた欧州顧客との取引を同社に移管することで、既存顧客へのサポート体制を充実させ、欧州地域における製品とサービスの売上拡大を図る。これにより、2022年度のIVG社の売上高を約2,100万ユーロ(約27億円:130円計算)に引き上げるとともに、ターボ分子ポンプ事業で連結売上高250億円を目指す。
<IVG社の概要>
社名:infraserv Vakuumservice GmbH
所在地:Gleiwitzerstraße 8, 85386 Eching, Munich, Germany
設立:1993年
代表者:Shimadzu Industrial Equipment USA社長 G.Driskellが就任(兼任、現CEOは退任)
売上高:約490万ユーロ(約6億3,700万円、2017年度)
従業員数:25名(2018年3月時点)
<買収の概要>
・投資額(買収価格および増資の合計):約4.6百万ユーロ
■島津製作所のターボ分子ポンプについてはこちら
https://www.shimadzu.co.jp/industry/products/tmp/index.html