NTNは6月22日、手首関節モジュール「i-WRIST」を外観検査用途として自動車部品および産業機械部品メーカー数社向けに2018年8月より量産を開始すると発表した。従来の「パラレルリンク型高速角度制御装置」の稼働範囲を広げ、半球面全方向に対して任意の位置に高速に位置決め可能な装置を開発し、名称も「i-WRIST」と変更した。
NTNが開発した「i-WRIST」は、独自のリンク機構の採用により、小型、省スペースで広い可動角度範囲を実現するとともに、垂直多関節ロボットやパン・チルト機構が苦手な細かな位置(角度)変更を、人間の手首と同じような動きで高速に行うことができる。従来の「i-WRIST」の最大折れ角は45°だったが、90°まで稼働範囲を広げることにより、人が行っていた複雑形状や半周面の外観検査作業を「i-WRIST」で置き換えることが可能となった。ワークの形状やサイズ、画像処理システムの処理速度にもよりますが、60ヶ所の外観検査をわずか8秒で行うことが可能。
NTNは、2012年に開発品を発表して以来、グリース塗布や洗浄用(エアブロー等)に技術提案を進める中で用途におけるニーズに応じた改良を重ねてきた。今回、高速・高性能な外観検査の自動化と省スペース化を認められ、外観検査用途として量産を開始する。今後、労働人口の減少に伴い、これまで人手に頼ってきた外観検査などの自動化への需要が拡大することが予想される。NTNは、そのような生産現場の自動化や省人化とともに、生産性や品質のさらなる向上に寄与する商品を開発し、社会に貢献していくとしている。