プライメタルズテクノロジーズ(以下PT社)は6月21日、オランダのエイマイデンにあるタタスチール・パッケージング社(Tata Steel Packaging)の連続焼鈍ライン「CA 12」の電気制御機器とオートメーション装置の近代化工事を完工し、ラインの操業が開始されたと発表した。
この近代化プロジェクトでは、同社の焼鈍及び二次冷間圧延の約半分の生産量を処理する焼鈍ラインを今後20年間に渡って正常に稼働させることを目指して、マシンインターフェース(HMI)やモーター駆動装置を含む制御システムをそれぞれ交換したが、契約から性能試験完了まで14ヵ月で完工した。
PT社は、入側セクション、ストリップクリーニング、加熱炉、2スタンド方式6-Hi型テンパーミル、マグネット式ベルト搬送装置付き出側セクションなどを含む完全自動化ライン全体をカバーする制御システムと、駆動モーター239基を納入し、ギアモーター153台を交換した。また安全制御システムについても、既存システムから新システムに更新した。
新しい機器及びシステムの動作確認とプログラミングをプラント稼働停止前に事前検証するために、数週間に渡って詳細な最終検収テスト(FAT)が行われ、顧客のオペレーターも模擬制御シミュレータでトレーニングを受けるなど準備を進めた。装置一式の据付けと性能試験は3週間のプラント稼働停止期間中に行われたが、稼働再開後のスタートアップ曲線の立ち上がりも早く、3週間で所定の生産レベルを達成した。
エイマイデンのタタスチール社のパッケージング事業は、厳しい要求の缶製造向けに、ブリキ(すずメッキ鋼板)、ティンフリースチール(ECCS:すず無し鋼板)、ブリキ原板、市場をリードするラミネート鋼板「プロタクト(Protact)」、絞りしごき(D&I)缶用の清浄鋼板、缶ふた開口対応の高強度で成形性の高い鋼板、コイル装入方式の缶製造に最適なコーティング鋼板まで、高性能なスチール製品を幅広く取りそろえている。焼鈍ライン「CA 12」は、毎分最大600mの処理速度で、厚さ0.15mmから0.5mm鋼板を処理するよう設計されている。