㈱荏原製作所の精密・電子事業カンパニーは5月30日、今年5月にドライ真空ポンプの藤沢工場累計出荷台数15万台を達成したと発表した。1986年の初号機出荷以来、32年での成果。
半導体製造工程で使用する真空ポンプは、1980年代まで油回転ポンプが主流だったが、高集積化に伴いより清浄な真空環境のニーズが高まり、荏原のコアコンピタンスである回転機械技術を応用して、接ガス部にシール用の液体を使用しないドライ真空ポンプを製品化した。荏原のドライ真空ポンプは、清浄な真空をつくるだけでなく、非接触のシール構造という特長を持ち、メンテナンス頻度を低減することが可能。これらの特長を生かし、現在では半導体やディスプレイ製造だけでなく、太陽電池・LED・リチウムイオン2次電池・各種分析装置といった幅広い産業に用途を拡大している。
荏原は、中期経営計画(E-Plan2019)の施策に基づき生産効率を画期的に高めたドライ真空ポンプの全自動化工場を2019年までに立ち上げ、海外の生産拠点との連携も深め、引き続き堅調な半導体市場の需要や多方面の顧客の要求に応えていく。