東ソーは5月16日、南陽事業所(山口県周南市)においてファイン・セラミックスの一種であるジルコニア粉末の生産能力増強を決定したと発表した。
東ソーのジルコニア粉末は、イットリア安定化ジルコニアというタイプで、「高強度・高靱性ジルコニア」とも呼ばれ、品質優位性・品質安定性から圧倒的な世界シェアを有している。光ファイバーの接続部品などの各種構造部品や電子部品原料の粉砕用ボールの用途に使用されており、近年では、歯科材料用途での需要拡大に対し透光感グレード(Zpex(R)、Zpex Smile(R)、Zpex(R)4)をラインナップし、ファッション性が要求される装飾品用途では各種カラーグレードを取り揃え、ワールドワイドに販売展開している。
ジルコニア製品は、東ソーの高機能材料事業の主力製品の一つで、東ソーは今回の計画により、旺盛な需要の拡大に対応し、今後も更なる事業規模の拡大と収益力の強化を図っていく。
<計画内容>
立地:東ソー 南陽事業所
対象設備:ジルコニア粉末製造設備
生産能力:約30%増(現有能力比)
投資額:約50億円
工期:2018年8月 着工、2019年6月 完工予定
商業運転:2019年10月予定
<事業経緯>
・1983年 南陽事業所にファイン・セラミックス用ジルコニアとしては世界初の商用プラントを建設
・1995年~ 南陽事業所の生産能力を適宜増強
・2009年 四日市事業所に同製品の製造設備を新設
・2012年 南陽事業所の生産能力を増強