主要市場である油圧ショベルを中心とした建設機械市場は、日本は堅調な企業収益を背景に、設備投資は増加基調に推移するなど、景気回復が持続し、需要は前年を上回った。北米は堅調な住宅着工件数の推移を受け、需要の増加が継続し、欧州も需要は堅調に推移した。中国は、インフラ投資の拡大に伴う建設機械の大幅な需要の増加が継続し、東南アジアでは、インドネシアを中心に需要は全体で増加した。
ヤマシンフィルは、中期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」を掲げ、中期的な視野に立った成長投資のため、①新素材の開発・製品化、及び拠点集約による研究開発体制の効率向上のための研究開発拠点の新設に係る土地・建物購入投資、②既存事業及び新素材開発・製品化に係る、生産設備、研究開発設備等への設備投資、並びに③将来のM&Aを含む資本・業務提携等のための増資を決議し、92億2,200万円の資金調達を実施した。
■2019年3月期の見通し
2019年3月期の建設機械市場の需要見通しについては、前期に引き続き堅調に推移することが見込まれ、新車需要は若干上回るものと想定。堅調に推移する新車需要を確実に獲得するとともに、既に稼働している建設機械向けのフィルタ製品の交換需要を的確に掴み、アフターマーケット事業を推進する。また、前期に引き続きプロジェクト活動「Project PAC 18」を立ち上げ、同プロジェクトにヤマシンフィルタグループ一丸となって取り組み、利益の確保に最大限努める。
2019年3月期の連結業績については、売上高、140億円(前期比6.3%増)、営業利益23億5,000万円(同23.0%増)、経常利益23億4,000万円(同28.3%増)、親会社株主に帰属する当期利益16億円(同28.0%増)の見通し。
なお、ヤマシンフィルタの子会社であるYAMASHIN THAI Ltd.(以下、YTL)はこのほど、Bangkok Komatsu Co. Ltd.(以下、BKC)のサプライヤミーティングにおいて、「Certificate of Excellent Quality, Delivery & Cost Performance」アワードを受賞した。これは、YTLが品質・納期・価格など各評価基準で偏りなく高パフォーマンスを発揮した点や急な増産に対しての協力体制等が評価されての受賞となる。