日本精工(NSK)は5月7日、鉄道車両の乗り心地向上と高速化の両立に貢献する、ボールねじ式の制振アクチュエータ「動揺防止アクチュエータ」を開発したと発表した。製品は、2017年12月23日から「スーパーあずさ」の新型車両として営業運転を開始した、東日本旅客鉄道(JR東日本)の中央線新型特急車両E353系に搭載されている。さらには、2017年5月1日から営業運転を開始した、JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE四季島」にも搭載されている。
鉄道車両の高速化が進む中、線路のうねりやトンネルでの空気圧により発生する車体の揺れによる乗り心地悪化が課題となっていた。このため、乗り心地向上と高速化を両立させるため、鉄道車両の振動を抑制する技術が求められていた。
<特 長>
- 回転運動を直線運動に高効率で変換するボールねじの優れた性能を活用し、横揺れ振動を応答性良く抑制する電動式の動揺防止アクチュエータを開発した。
- 小型・軽量化により台車と車体との間の限られた空間に配置できる。
- 防水性をはじめとする耐候性、さらには台車からの振動に対する十分な信頼性を実現する。