■海外売上高は建設機械の好調で機械部門が増収
営業利益は販売費や、為替差損益の悪化に伴うその他の費用の増加はあったが、国内外での増販やユーロに対する円安効果などにより前年同期比36億円(9.0%)増の439億円となった。税引前利益は、前年の金融収益に有価証券売却益が含まれていることによる金融収益の悪化を営業利益の増加で補い、前年同期比12 億円(2.6%)増の450 億円となった。法人所得税は125 億円の負担となり、四半期利益は前年同期比12 億円(3.7%)増の327 億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を5 億円(1.5%)上回る299 億円となった。
*クボタは、2018年度より従来の米国基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を適用している。また、前年期及び前年度の財務数値もIFRS に組み替えて比較分析を行っている。
<機械部門> 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。売上高は前年同期比6.2%増加して3,394 億円となり、売上高全体の79.2%を占めた。
国内売上高は前年同期比4.9%増の721億円。自動販売機事業からの撤退の影響はあったが、農業機械、エンジン、建設機械が揃って増加した。
海外売上高は前年同期比6.6%増の2,673 億円。北米では、米ドルに対する円高の影響はあるものの、堅調な需要を背景に建設機械、エンジン、トラクタがすべて増加。欧州では、ユーロやポンドに対する為替改善効果に加え、建設機械も好調を維持。アジアでは、タイのトラクタが米やキャッサバなどの価格上昇に伴う需要回復により堅調に推移したほか、インドのトラクタも前期に投入した多目的トラクタの新機種などを中心に増加した。一方、中国の農業機械が政府による農業機械購入補助金予算の発表が遅れた影響により大幅に減少したため、アジア全体では前年を下回った。
セグメント利益は国内外での増収やユーロに対する円安効果などにより前年同期比24.0%増加して470 億円となった。
<水・環境部門> 同部門はパイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)により構成。売上高は前年同期比4.7%増加して813 億円となり、売上高全体の19.0%を占めた。
国内売上高は前年同期比1.6%増の694 億円となった。パイプ関連製品はダクタイル鉄管が低調だったが、ポンプや工事事業が増加したため、前年を上回った。社会インフラ関連製品も素形材や土木工事用スパイラル鋼管の伸長により増加したが、環境関連製品は上下水処理装置などが減少した。
海外売上高は前年同期比27.3%増の119 億円となった。中東向けのダクタイル鉄管やポンプが大幅に増加した。
セグメント利益は海外売上高の増加に伴う構成悪化などにより前年同期比19.4%減少して88 億円となった。
<その他部門> 同部門は各種サービス事業などにより構成。売上高は前年同期比2.1%増の79 億円となり、売上高全体の1.8%を占めた。セグメント利益は前年同期比10.7%減少して7 億円となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2018 年12月期の業績見通しは前回発表時(2018 年2 月14 日)から変更していない。想定為替レートは、1 米ドル=110 円、1 ユーロ=130 円としている。