*ROICとは、投下資本税引後利益率であり、投下資本(株主資本と有利子負債の合計金額)に対してどれだけ利益を出しているか、資本のコストに見合う収益性があるかを示す指標。
2017年度の経営環境は、国内は企業業績の改善に伴い設備投資が堅調に推移し、海外は米国の製造業における生産回復が持続し、中国では工業生産が高めの伸びを持続したことなどから世界的に機械需要が増加基調の中にあった。その一方で、貿易摩擦の懸念や、朝鮮半島等での地政学上のリスクが継続するなど依然として不透明感が残る状態であった。
■部門別事業の状況
<機械コンポーネント部門> 国内、欧米、中国の中小型の減・変速機及びロボット用精密減速機の市況が堅調に推移し、また大型の減・変速機の市況も回復基調だったことから、受注、売上とも増加した。この結果、受注高は前期比18%増の1,151億円、売上高は同11%増の1,094億円、営業利益は同30%増の118億円となった。
<建設機械部門> 油圧ショベル事業は、国内外で需要が伸長したことから、受注、売上とも増加した。建設用クレーン事業は、北米市場が回復傾向にあることや、住友重機械建機クレーンを連結子会社化したことなどから、受注、売上とも増加した。この結果、受注高は前期比39%増の2,652億円、売上高は同43%増の2,605億円、営業利益は同11倍増の174億円となった。
<船舶部門> 市況低迷が継続したが、前期より1隻多い4隻の新造船を受注した。また、売上も前期より2隻多い5隻の引渡しとなった。この結果、受注高は前期比17%増の349億円、売上高は同17%増の383億円、営業利益は同44%減の7億円となった。
<環境・プラント部門> エネルギープラント事業は、国内の売上が減少したものの、バイオマス発電設備の受注の増加や、Sumitomo SHI FW Energie B.V.を連結子会社化したことから、受注、売上とも増加した。水処理プラント事業は、長期包括運営管理事業案件の減少により、受注、売上とも減少した。この結果、受注高は前期比17%増の1,627億円、売上高は同13%増の1,219億円、営業利益は同5%増の95億円となった。
<その他部門> 受注高は前期比3%減の77億円、売上高は同6%減の78億円、営業利益は同1%減の21億円となった。
■2019年3月期売上は7.5%増の8,500億円、営業利益は8.5%減の640億円
売上高8,500億円(前期比7.5%増)、営業利益640億円(同8.5%減)、経常利益618億円(同8.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益380億円(同9.6%増)の見通し。為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=130円を前提としている。