■2017年度の事業環境と取り組み
2017年度における事業環境は、日本、米州、欧州およびアジアの全ての地域において総じて需要が好調に推移し、なかでも中国における設備投資需要が活発だった。ファナックは、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービス・ファースト」をスローガンに掲げ、商品・サービスを通じて、信頼性が高く効率的・先進的な生産体制を顧客が安心して構築・維持できるようにするための取り組みをグループ一丸となって推進した。
■部門別状況
レーザは、国内、海外ともに低調に推移したものの、引き続きファイバレーザ発振器の拡販に努めた。
FA部門の連結売上高は、2,222 億5,400万円(前期比27.0%増)、連結売上高に対する構成比は30.6%となった。
<ロボット部門> ロボット部門については、米州、欧州および中国向けが引き続き好調に推移し、なかでも中国向けの需要が活発だった。また国内も堅調に推移した。この結果、ロボット部門全体の売上高は前年度に比べ大幅に増加した。なお、2017 年11 月、ロボットの累計生産台数は50 万台を達成した。
ロボット部門の連結売上高は、2,278 億2,700万円(前期比19.9%増)、連結売上高に対する構成比は31.3%となった。
<ロボマシン部門> ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)、ロボカット(ワイヤカット放電加工機)のいずれも、自動車産業向けが堅調に推移したほか、IT関係向けも総じて堅調で特に中国等における一時的需要も活発であったことから、売上高は前年度に比べ大きく増加した。
ロボマシン部門の連結売上高は、1,901億8,200万円(前期比102.5%増)、連結売上高に対する構成比は26.2%となった。
<サービス部門> サービスは、「サービス・ファースト」のスローガンのもと、サービス体制の強化、サービス技術の向上、サービスツールの充実、IT技術の導入による効率向上などを進めながら、世界107カ国(2018 年3 月末現在)の保守対象地域において顧客の工場でのダウンタイムを最小限にするための迅速な保守サービス活動を行った。また、サービス体制強化の一環として新名古屋サービスセンタを開設したことで、日野支社と合わせてコールセンタとパーツセンタを複数拠点化し、災害等が生じた場合でも顧客へのサービス対応を速やかに行える体制を整えた。
サービス部門の連結売上高は、863 億3,300万円(前期比10.8%増)、連結売上高に対する構成比は11.9%となった。
■2018年の見通し
2017 年度において活発だったIT関係の一時的な需要が2018 年度は鈍化することが予想され、また国家間の貿易摩擦問題の動向とその影響、為替の動向をはじめとする様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続くものと思われるとし、現時点での2018 年度(2019 年3月期)の連結業績予想は以下のとおり。
売上高6,342億円(前期比12.7%減)、営業利益1,517億円(同33.9%減)、経常利益1,638億円(同34.4%減)、親会社株主に帰属する当期利益1,377億円(同24.3%減)の見通し。