日立造船は4月24日、鳥取県境漁港より魚介類の保存・陳列に適した流動海水氷(スラリーアイス)の製造装置「スラリーアイスプラント」を中核とする境漁港海水流動氷製造装置整備業務を4億4,400万円で受注したと発表した。日立造船は、スラリーアイスを通じて「食の安全」に取り組んでおり、国産水産物の衛生管理の向上に対応するだけでなく、今後は、国産水産物の輸出に向けた施設整備に貢献していく。
鳥取県境漁港は日本海側最大の水揚げ量を誇り、国内有数の水産物流拠点として鳥取県営境港水産物地方卸売市場を通じて全国の消費者に水産物を提供しているが、近年の「食の安全」に対する要請に応えるため、安全かつ安心な水産物を提供できる高度衛生管理型市場への移行を進めている。
日立造船は高度衛生管理型市場において松葉ガニそのほか活魚用として使用する冷海水およびブリ・ハマチ等の鮮魚の鮮度保持用に使用するスラリーアイスを製造供給する装置にかかる設計および製作、工事等の一式を受注した。
スラリーアイスプラントは、魚体に優しく鮮度維持に適切な温度と塩分濃度の海水シャーベット氷であるスラリーアイスを製氷することができ、また、水道のように配管を通してスラリーアイスを放出できるため、高度な衛生管理に対応できるだけでなく、長距離無人搬送を実現することによって、省人・省力・安全といった作業性や衛生面でも優れている。
<受注概要>
発注者:鳥取県(平井伸治知事)
事業名称:鳥取県境漁港流動海水氷製造装置整備業務
建設場所:鳥取県境港市昭和町
供給能力:流動海水氷(スラリーアイス)通常50トン/日(ピーク時75トン/日)
冷海水 通常48トン/日(ピーク時72トン/日)
納期:2019年4月30日/受注額:4億4,400万円