近年、世界的な燃費規制及び衝突安全規制の高まりを受け、車体軽量化を目的に従来の鋼材だけなく、様々な素材を適材適所で組み合わせて使う「マルチマテリアル化」の流れが強まっている。しかし、異なる金属の溶接は溶接時に発生する金属間化合物や腐食の観点から容易ではなく、これまでは主に溶接法の代わりにネジや「かしめ」の仕組みを使った機械的接合法が一般的だった。また、これまでも異材接合方法はあるものの、超ハイテン鋼板とアルミの組合せに対しては、その鋼材の強度に耐え、かつ扱い易い接合法がなかった。
このような中、神戸製鋼は昨年、アーク溶接とエレメントと呼ばれるリベットを用いて、超ハイテン鋼板とアルミを接合できる異種金属接合法「エレメントアークスポット溶接法(=EASW)」を考案。さらに、自動車産業への適用においてはロボットシステム化が必要不可欠で、このほどファナックの持つロボット、エンジニアリング、センサー技術を活用し、この溶接法の自動化に目処を付けたとしている。
具体的には、画像センサーによる接合箇所の位置検出、ロボットの正確な移動、加圧、エレメントの送給と嵌合、アーク溶接といった一連の動作を高速かつ自動で行う。試作システムは、4月25日~28日に東京ビッグサイトで開催される「2018国際ウエルディングショー」に出品、ファナックの展示ブースで実演を行う予定。