■大電流域のスパッタとヒューム発生を低減
㈱神戸製鋼所は4月18日、100%子会社であるコベルコROBOTiXと共同で画期的な溶接プロセスであるREGARCTM(※1)を搭載した小型可搬型溶接ロボット「石松(いしまつ)」を開発したと発表した。REGARCTMプロセスを搭載したことにより、炭酸ガスアーク溶接の大電流域におけるスパッタとヒューム(※2)の発生を大幅に低減することが可能。建築鉄骨溶接ロボット型式認証は取得済みであり、7月より販売を開始する。
人が持ち運べる軽さで、小型可搬型溶接ロボットとして多くの販売実績を積んでいる「石松」と、画期的な溶接プロセスREGARCTMの組み合わせにより、溶接の自動化ソリューション提案力が更に充実する。製品は、4月25日(水)~28日(土)に東京ビッグサイトで開催される「2018国際ウエルディングショー」にて実演、紹介する。
神戸製鋼では、専用の溶接機SENSARCTMAB500と溶接材料FAMILIARCTMMG-50R(N)、FAMILIARCTMMG-56R(N)を組み合わせた画期的な溶接プロセスREGARCTMを搭載したARCMANTM鉄骨溶接ロボットシステムで、多くの顧客での溶接工程の生産性と溶接品質の向上を実現してきた。
そうした中、昨年12月に小型可搬型溶接ロボット(製品名「石松」シリーズ)をMHIソリューションテクノロジーズ株式会社からコベルコROBOTiXへ事業継承したことに伴い、神戸製鋼とコベルコROBOTiXの技術開発力を融合した取り組みを進め、このほどREGARCTMプロセス搭載「石松」の開発を完了した。
製品は、重量約6Kgと人が軽々と持ち運び可能で、全自動センシング(※3)によるフルオート溶接機能で簡単な操作ができる「石松」に、REGARCTMプロセスの効果と特長を有したもの。ARCMANTM鉄骨溶接ロボットシステムと同じように、専用の溶接機SENSARCTMAB500と溶接材料FAMILIARCTMMG-50R(N)、FAMILIARCTMMG-56R(N)の組み合わせにより、「石松」の小型可搬型という特長を活かして施工したいという顧客のニーズ・適用部分においても、スパッタ、ヒュームの発生量を大幅に低減する。これにより、ノズル清掃頻度や溶接の後処理時間を削減でき、生産時間の短縮や作業環境改善にも寄与するなど、更に顧客のコストダウンと溶接の高品質化に貢献することが可能となる。
近年、同じ溶接対象物であっても、顧客での事情により、自動化ニーズは多様化している。こうしたニーズに応えるよう神戸製鋼グループは、溶接ロボットシステム・溶接材料・溶接電源・溶接施工技術の総合力のもと、新たな溶接技術を開発・提案することで、「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」を目指していく。