■2018年2月期の経営概況
竹内製作所グループの主力市場である米国及び欧州の2018年2月期の経済は、米国ではハリケーンの影響による一時的な鈍化が見られたものの、労働市場の回復を背景にした個人消費の底堅い成長が持続したことに加え、設備投資の回復も明確になり、景気拡大が続いた。英国は、雇用が回復基調となり、物価水準も上昇傾向にあるなど足元の景気動向は強含みで推移した。その他欧州は、雇用情勢の改善を受けた個人消費が堅調に推移したことに加えて、設備投資が回復するなど、景気の拡大基調がユーロ圏のほぼ全域に広がった。
■セグメント別の業績
<日 本> 欧州向けミニショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は331億1,600万円(前年度比7.1%増)、セグメント利益は123億800万円(同6.1%増)となった。
<米 国> ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数が増加したこと等により、売上高は453億6,300万円(前年度比14.3%増)となったが、セグメント利益は日本からの製品仕入価格の値上げの影響等により15億4,400万円(同34.2%減)となった。
<英 国> ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は108億2,200万円(前年度比30.2%増)、セグメント利益は5億3,400万円(同67.1%増)となった。
<フランス> これまでに取り組んだディーラー開拓の効果もあり、ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したことに加え、円安によりユーロ建て売上の円換算額が押し上げられたこともあり、売上高は47億3,200万円(前年度比33.0%増)、セグメント利益は3億1,400万円(同61.5%増)となった。
<中 国> 油圧ショベルの販売台数が減少したこと等により、売上高は3億800万円(前年度比39.6%減)、セグメント利益は日本への部品の供給が増加したこと及び貸倒引当金の戻入などがあったこと等により、4億100万円(同345.1%増)となった。
■今後の見通し
主力市場である米国及び欧州の経済は、米国では政策の先行きに不透明感は残るものの、インフラ投資の拡大や、所得税、法人税の減税を柱とする税制改革により、個人消費や企業の設備投資が旺盛になることが期待され、住宅市場も良好な雇用・所得環境が奏功して堅調さを維持する見通し。加えて、北米市場に向けて製品重量3.5トンのクローラーローダーの新製品を2018年1月より販売開始しており、この新製品効果による販売台数の上乗せが期待できることからも、米国での売上高は現地通貨ベースでは増加を予想している。しかし、前提為替をドル安に設定したため、円換算ベースでは微減を予想している。
欧州は、英国はEU離脱交渉に伴う不透明感が漂うものの、その他EU圏では雇用改善を背景とした個人消費の好調さに加え、企業収益の増加、設備稼働率の高まりなど内需主導の緩やかな景気拡大が持続するものと予想している。
このような環境下、欧州市場に向けて製品重量2.3トンのミニショベルの新製品を2018年3月より販売開始し、この新製品効果による販売台数の上乗せが期待できることから、欧州全体の売上高は増加を予想している。
以上により、2019年2月期の連結売上高は970億円(前年度比2.8%増)となる見通し。利益面は、販売台数増加による増益効果を見込むものの、鋼材を主とした原材料コストの上昇、前提為替をドル安に設定したことによる減益効果により、営業利益は127億円(同10.1%減)、経常利益は、為替差損を見込んだことにより124億円(同11.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は90億円(同5.7%減)となる見通し。
なお、業績見通しにおける主要な外国為替レートは、1米ドル=103円、1英ポンド=147円、1ユーロ=128円、1人民元=16.40円を前提としている。