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日立金属、約90億円投じて安来工場(島根県)の生産能力を増強、有機ELパネル用など電子材料需要に対応

 日立金属は4月5日、有機ELパネル用材料やリードフレーム材料などをはじめとする電子材料の旺盛な需要に対応するために、約60億円を投じて安来工場(島根県安来市)の生産能力増強に向けた投資を実施すると発表した。

 日立金属特殊鋼カンパニー 電子材料事業は、液晶パネルの薄膜形成に用いられるスパッタリングターゲット材をはじめ、半導体パッケージの配線材料に用いられるリードフレーム材料、リチウムイオン電池や放熱部材に用いられるクラッド材など、エレクトロニクスの進展に欠かせない高機能材料を手掛けている。

 また、同事業における成長戦略の一環として、㈱SHカッパープロダクツにクラッド材の生産ライン導入を進めるとともに、2018年4月1日付で㈱日立金属ネオマテリアルを存続会社としてSHカッパープロダクツと統合を決定するなど、事業の強化を進めてきた。

 近年、テレビやモバイル機器への有機ELパネルの採用拡大や、IoT化に伴うセンサーの活用、自動車電装化の進展に伴い、有機ELパネル用材料やリードフレーム材料への需要が高まっている。なかでも有機ELパネルは、高画質かつ色再現性に優れることからテレビやモバイル機器での採用が進んでおり、2024年までに面積ベースで約7倍(2017年比)の需要が見込まれている。

 こうした中、日立金属は、これら電子材料の旺盛な需要に応えるために安来工場に約90億円の設備投資を実施する。今回の投資では、有機ELパネル用材料やリードフレーム材料などの冷間圧延工程の建屋を拡張するとともに、生産性の高い広幅の圧延機、焼鈍炉等を導入することで、冷間圧延工程の生産能力を大幅に拡大し、特に有機ELパネル用材料については2021年度までに約3倍(2017年度比)に増強する。

 今後、日立金属グループは、生産能力の増強、販売体制の強化といった成長戦略の実行により、有機ELパネル用材料やリードフレーム材料を含む電子材料事業の2020年度売上規模1,000億円をめざす。

<投資の概要>

導入拠点:日立金属安来工場(島根県安来市)

投資内容:建屋拡張、圧延機、焼鈍炉、スリッター、検査機などの設備増強

投資金額:約90億円/稼働時期:2020年度上期

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