㈱IHIと鹿島建設による共同企業体は4月1日、東京ガスエンジニアリングソリューションズ（本社：東京都港区）から設計・調達・建設業務を請け負っている、日立LNG基地向けの地上式LNGタンク（貯蔵容量23万kl）1基の増設工事に本格着手したと発表した。
工事の施工にあたっては、地上式LNGタンクの建設工法としてIHIが独自に開発した「J. C. Method(R)（※1）」を適用することにより、建設工期の大幅な短縮を実現し、2020年度内の完成を予定している。
今回着工したLNGタンクは、東京ガスが運営する日立LNG基地（茨城県日立市）内に増設される。東京ガスグループは「チャレンジ2020ビジョン」において、「LNGバリューチェーン高度化のためのアクションプラン」を掲げており、工事の遂行は、エネルギーを安全かつ安定的に供給するための体制強化を目的とした、関東圏全域のエネルギーセキュリティー向上に貢献するもの。
1969年に日本初のLNGタンクを東京ガス根岸工場に納入したIHIは、国内外で130基以上の受注実績を誇るトップメーカー。これまで、地上式・地下式などの各種タンク型式の開発にも携わり、LNG受入基地のプラントエンジニアリングの実績も豊富。IHIは、工事の遂行を通じて関東圏のエネルギーセキュリティー向上に貢献するとともに、世界のエネルギー需要が増大する中、環境に配慮したエネルギーを安定供給するために、今後も積極的に事業活動を行っていくとしている。
＜案件概要＞
発注者：東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
建設予定地：茨城県日立市 茨城港日立港区内
設計・施工：IHI・鹿島建設共同企業体
構造・規模：地上PC式LNGタンク（貯蔵容量23万kl）×1基
貯槽内径86.0ｍ、液深39.7ｍ
運開予定：2020年度
（※1）独自開発工法「J. C. Method(R)」
・従来工法では、タンク外槽の外側にあるPC（プレストレストコンクリート）壁の構築期間中に底部で屋根ブロックを組み立て、PC壁構築完了後に屋根部を空気圧で浮上させる方法（エアレイジング工法）によりPC壁頂部に固定し、その後、タンク内槽側板の組立・溶接作業を行っていた。よって、タンク内槽側板の組立・溶接作業は、PC壁の構築完了まで待つ必要があった。独自工法「J. C. Method(R)」では、屋根ブロック組立に続いて、内槽側板の組立・溶接作業とジャッキでの内槽上昇作業を繰り返し、PC壁構築工事とタンク内槽工事の同時並行作業を実現する。