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日本製鋼所と月島機械、製造分野の協業で基本協定書を締結、室蘭で月島機械が自社製品製造

 日本製鋼所月島機械は3月29日、昨年11月の発表以来、製造分野の協業に関し、共同検討に着手していたが、同日基本協定書を締結したと発表した。具体的には、日本製鋼所室蘭製作所で月島機械が自社製品を製造し、両社の保有する経営資源と製造技術を相互に活用することが両社にとって最適との判断に至り、基本協定書を交わし、2019 年4月からの製造開始を目指すことにした。

 日本製鋼所 室蘭製作所は、「独創技術で変化を創り出し社会の発展に貢献する企業」というビジョンのもと、日々変化する社会のニーズを積極的に開拓し、長年にわたり培われてきた固有技術と創造力で、各種鋳鍛鋼製品やクラッド鋼板・鋼管製品を製造してきた。

 近年、エネルギー市場環境の変化や海外企業との競争が激化している。室蘭製作所では生産効率の改善やコストダウンに注力してきたが、依然として受注環境は厳しく、経営資源を最大限に活用するために、2017 年11 月6日、大型の各種産業機械や環境装置を得意とする月島機械との協業を発表、共同検討に着手、協議してきた。

 一方、月島機械は、「最良の技術をもって産業の発展と環境保全に寄与し、社会に貢献する」という企業理念のもと、創業以来、ろ過、乾燥、蒸留、焼却といった単位操作技術に基づく産業機械や環境装置などを設計・製造してきた。

 近年、単体機器市場のグローバル化が進み、海外企業との競争が激化している。月島機械も工場の生産効率の改善やコストダウンに取り組んできたが、市場の変化がさらに速くなっていることから、より一層の生産体制の効率化を進めるため、2017年11 月、日本製鋼所と製造分野の協業に関する共同検討の着手について合意し、協議してきた。

 今回の合意による事業拠点の移設に伴い、市川工場は、2020 年度までに閉鎖する予定。市川工場の従業員については、雇用の維持を優先し、室蘭工場への異動および月島機械グループへの配置転換を行う。

■基本合意の要旨

(1) 概要:

 月島機械市川工場の製造機能を、日本製鋼所 室蘭製作所構内の第4鉄構工場他に移設する。第4鉄構工場の製造に係る全ての管理責任は月島機械が担う。これに伴い、日本製鋼所は第4鉄構工場他を月島機械に賃貸するとともに、製造に係る要員の一部は、日本製鋼所から月島機械への出向者で構成する。

 また、一部の機械加工については、月島機械からの業務受託を予定している。一方、日本製鋼所が第4鉄構工場で製造していた製品については、日本製鋼所他工場で製造できない製品を中心に月島機械へ製造委託を行う。

(2) 賃借項目および製造委託予定製品

 ① 賃借項目

 第4鉄構工場(敷地面積 :約13,500 ㎡)並びにその周辺施設、その他製造に必要な各種ユーティリティーなど

 ② 月島機械への製造委託予定製品各種大型圧力容器、管板他

(3) 今後の日程現段階で予定している日程は、以下の通り。

 2018 年4月 第4鉄構工場 既存設備の撤去・移設開始、市川工場 移設準備開始

 2018 年12 月 市川工場 設備機器 移設開始

 2019 年3月 室蘭工場(仮称) 部分製造開始

 2019 年4月 室蘭工場(仮称) 全体製造開始

 ニュースリリース(日本製鋼所)

 ニュースリリース(月島機械)

 

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