プライメタルズテクノロジーズ(以下、PT社)は3月27日、中国の桂林萍鋼鋼鉄有限公司(GuilinPinggang Iron and Steel Co., Ltd.:桂林萍鋼)より、出鋼量120 トンの新型電気炉EAF Quantum と、同120 トンのツインレードル炉を受注したと発表した。
新型電気炉EAF Quantum は、さまざまな組成や品質のスクラップを処理できるよう設計されている。スクラップの予熱により、電気炉に必要な電力量は大幅に低減され、操業コストとCO2 排出がいずれも削減可能。この2 つの炉は、棒鋼市場の成長への対応を目的として、中国の広西チワン族自治区の桂林近くに位置する平楽に新設される工場に納入され、2019 年の第2 四半期に稼働する予定。
PT社が開発した新型電気炉EAF Quantum は、実績のあるシャフト炉と革新的なスクラップ装入プロセス、高効率予熱システム、新しい傾動方式を持つ下部容器、最適化された溶解システムを装備し、溶解間隔の大幅な短縮を実現する。従来の電気炉に比べ電力消費量が大幅に低減され、電極と酸素の消費量低減もあいまって、全体で約20%の処理コストの低減ができる。全体のCO2 排出量も、従来の電気炉に比べて粗鋼1 トン当たり最大30%削減できる。PT社は、新型電気炉EAF Quantum およびツインレードル炉の主要な機械・電気設備を供給し、残りの周辺設備およびサービスは、現地の設計機関により供給される。
桂林萍鋼鋼鉄は、広西チワン族自治区の桂林市近くの平楽にある民間企業。年間生産能力は120 万トンで、建設業界向けに棒鋼、線材、その他鉄鋼品を生産している。