宇部興産グループの宇部マテリアルズ(本社:山口県宇部市)は3月19日、タイ・ラヨーン県にある、UBE Chemicals (Asia) Public Company Limited の拠点内で塩基性硫酸マグネシウム「モスハイジ」製造工場を建設すると発表した。
モスハイジは、自動車の軽量化に寄与する樹脂添加剤*1。地球温暖化対策やCO2 排出量削減を背景とした世界的な自動車軽量化ニーズの高まりを背景にモスハイジの需要は拡大しており、2012年・2015 年と二度の増強工事を経て現在の生産能力は3,000トン/年。
モスハイジは現在、山口県宇部市の工場で一極生産しているが、今後も見込まれる需要増や海外顧客である樹脂コンパウンドメーカー等の現地調達ニーズに対応するため、アジアにおける自動車産業の中心であるタイで工場を建設する。
新工場の設備能力は1,500トン/年。2018 年4 月着工・2019 年8 月完工の予定。生産開始となる2019 年9 月に、宇部マテリアルズはグローバルで4,500トン/年の能力を持つことになる。
*1 モスハイジ:宇部マテリアルズの水酸化マグネシム製造技術をベースに水熱合成により製造しているウィスカ(針状結晶)であり、自動車用ポリプロピレン(PP)への添加剤として使用されている。補強材として使用されているタルク(滑石)と比較して、約1/3 の添加量で剛性を維持できるため、比重の高いフィラーの添加量を低減でき、自動車用樹脂のさらなる軽量化が可能。また、生体安全性が高く、万一肺内に吸入されても容易に溶解し、残留しないことが特長。
<建設する工場の概要>
建設予定地:タイ・ラヨーン県(UBE Chemicals (Asia) Public Company Limited 拠点内)
事業内容:化学品(塩基性硫酸マグネシウム)の製造
着工:2018 年4月/完工予定:2019 年8月
生産開始予定:2019 年9月/生産能力:1,500トン/年