三菱ケミカルは3月5日、食品包装・医療分野などで使用されている共押出多層フィルム(※1)「ダイアミロン(R)」について、タイの工業団地に製造設備を新設、2020 年 4 月の商業生産開始を予定していると発表した。
ダイアミロンは、顧客のニーズに応じて 1 枚のフィルムにガスバリア性や易開封性(イージーピール)、高耐熱性などの様々な機能をカスタマイズして提供する高機能フィルム。その各機能の性能の高さや製品の品質の良さは顧客から高い評価を得ており、ハムやソーセージ等の食品包装(深絞り包装※2)用途では、国内でトップレベルの販売実績を有している。特に、その優れたガスバリア性は、食品の保存期間の長期化に寄与し、フードロスの削減に大きく貢献することができる。また近年では、新たな用途展開として、輸液バッグや医療用器具などの医療用包装材としての採用実績が着実に拡大している。
今回、三菱ケミカルは、経済成長が著しい ASEAN の中で特にコンビニエンスストアの普及やパッケージの高機能化が進んでいるタイにおいてダイアミロンの現地生産化を進めることにより、変化の速い新興市場にスピーディーに対応し、タイや ASEAN 諸国の旺盛な需要に応えていくことにした。
また、日系食品メーカーの製造・加工拠点が数多く集まるタイにダイアミロンの製造拠点を設けることにより、顧客に対してこれまで以上に迅速かつ幅広いソリューションを提供していく。
三菱ケミカルは、今後もダイアミロンの優れた機能性、品質、提案力を最大限に活かして新たな包装形態をソリューションとして提供し続けることで、国内のみならず、海外においても同事業の拡大を加速させていく。
※1 複数の樹脂原料を同時に製膜し、複数の機能を持たせた多層フィルム
※2 熱成形で凹みを持たせた底材とフラットのまま使用される蓋材の組み合わせで構成される包装形態