■幹線道路バイパスの整備によりマニラ首都圏北部近郊の交通渋滞の緩和に貢献
国際協力機構(JICA)は3月1日、2月28日にフィリピンの首都マニラで同国政府との間で、「幹線道路バイパス建設事業(III)」を対象として93億9,900万円を限度とする円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印したと発表した。
同事業は、マニラ首都圏北部の近郊中核都市であるプラリデル市周辺において、マニラ首都圏とルソン島中部を直接結ぶ主要な一般幹線道路である日比友好道路のバイパス道路(片側二車線)を整備するもの。これにより、同市周辺の渋滞緩和及び輸送能力・効率の向上を図り、マニラ首都圏及び同首都圏北部近郊地域の経済社会開発に寄与する。今回の円借款にかかる貸付資金は橋梁、立体交差を含む片側二車線の道路整備に係る土木工事、及びコンサルティングサービス(入札補助、事業全体管理、施工監理)等に充当される。
マニラ首都圏は、1,287万人の人口を有する国内最大の経済活動集積拠点だが、近年、その外延化に伴い、近郊の中核都市がベッドタウンとして急速に発展してきている。なかでも日比友好道路沿線にあるプラリデル市は、自動車等の車両台数の急激な増加に伴い、交通渋滞が慢性化している。この改善のため、同市周辺地域を対象に、片側二車線のバイパス道路の段階的な整備が進められており、同事業(I)(2004年借款契約調印)及び(II)(同2012年)では24.61kmの片側一車線を建設しています。同事業(III)では片側二車線化を行い、バイパス道路を完成させるもの。
同事業の実施により、日比友好道路とバイパス道路を合せた交通量が約1.2倍(約4万2千台/日から約5万台/日)、車両の平均速度が約1.5倍になることが見込まれており、道路交通容量の拡充により同地域の交通渋滞緩和に貢献することが期待されている。