■犬山工場に製造設備を新設
東洋紡は2月27日、液晶ディスプレー(以下、LCD)市場の順調な成長と、偏光板メーカーからの強い供給要望により、超複屈折フィルム「コスモシャイン SRF」(以下、SRF)の製造設備を新設すると発表した。犬山工場(愛知県犬山市)に100億円を投資し、2020年5月から量産を開始する。
LCD市場は、順調に拡大しており、年率3%の成長が見込まれている。また、SRFの事業環境もLCDパネルの大型化やオープンセル販売(*1)、ベゼルレス化(*2)により、耐水性、耐久性に優れるポリエステル(以下、PET)の需要が拡大している。
これらの需要拡大に対応するため、犬山工場にSRF専用の製造設備を新設する。これにより、SRFの製造体制は、犬山工場2ライン、敦賀事業所1ラインの合計3ラインになる。
偏光子保護フィルムの市場規模は500億円で推移すると言われている。量産開始後の2021年には、SRFの売り上げが現在の約2倍となる200億円を目指す。
*1 オープンセル販売:多くの部材で構成されているLCDの中で、液晶セル部だけの半製品を販売
*2 ベゼルレス化:テレビなど画面の外枠が小さくなったり、なくなったりすること