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三菱重工、仏Orano社への出資を完了、原子力事業の世界的なバリューチェーン強化へ技術・事業面の協力関係を緊密化

 三菱重工業は、フランスの原子力総合メーカー、アレバ(AREVA)グループの再編に伴い、ウランの採掘・濃縮・転換や使用済み燃料の再処理を中核とする燃料サイクル事業を分社して新たに設立されたOrano社(New AREVA Holding社から改称)への出資を完了したと発表した。Orano社は世界の原子力産業界でも屈指の技術力・販売力を有し、今後の堅調な成長が期待されている。三菱重工のOrano社への出資比率は5%、出資総額は約2億5,000万ユーロで、これにより同社との人的・技術的な交流の深化と拡大をはかっていく。

 三菱重工は、フランス原子力産業界と長年にわたる協力関係を有しており、1991年に燃料サイクル分野における合弁会社をAREVA NC社(現Oranoの子会社)と設立して各種再処理関連機器を製造・販売しているほか、2007年にはAREVA NP(現Framatome)社と三菱重工の最新技術を融合した加圧水型(PWR)原子力発電プラントの開発に着手、電気出力120万キロワット級の最新鋭PWRプラント「ATMEA1」を開発し、新設計画が具体化しつつある新興国を中心に世界各地での拡販を進めてきた。

 今回の出資により、三菱重工は今後のOrano社の成長戦略の実現を支援するとともに、技術面から事業面にわたる協力関係をより一層緊密化することで、2015年10月に日仏両政府間において確認された両国政府および原子力産業界の連携強化にも重要な役割を果たし、原子力事業の世界的なバリューチェーンの強化を目指す。

 今回の出資完了に際し、三菱重工の宮永俊一社長は次のように述べている。

 「Orano社は、三菱重工の原子力事業にとっての重要なパートナーであると同時に、長年にわたり我が国の原子力発電の発展を支援してきました。今回の出資完了を契機として、三菱重工とOrano社とのパートナーシップはより強固なものとなり、地球規模での電力エネルギーの安定供給とCO2の排出削減の両立に貢献する原子力発電の安全性と信頼性のさらなる向上を、より確実なものにできると期待しています。」

 今回のOrano社への出資と並行して、三菱重工はフランス電力会社(EDF社)の傘下企業として新たに設立された原子力機器・システムの設計製造事業会社であるFramatome社への出資を昨年末に完了した。日仏メーカー間の関係強化を通じ、原子燃料の製造から、プラントの設計、建設、保守、使用済み燃料の再処理まで、世界の原子力発電事業をサポートできる総合メーカーとして体制の拡充に努めていく。

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