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プライメタルズテクノロジーズ、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)向け新設の第3焼結プラント用排ガス処理システムMerosを受注

 プライメタルズテクノロジーズPrimetals Technologies、PT社)は2月27日、JFEスチールより、同社の国内生産拠点である西日本製鉄所(福山地区)向けに、新設される焼結プラント用の排ガス処理システムMeros(Maximized Emission Reduction OF Sintering)を受注したと発表した。

 Merosプラントは、第3焼結プラントの運転で生じるガスを浄化できるように設計されている。日本国内の焼結プラントで初めて設置される吸着剤吹込み式の乾式ガス処理システムとなり、ガス浄化処理工程で水を使用しない。Merosシステムは、SOx含有量を97%以上低減し、ダイオキシンとフラン(PCDD/F)濃度を0.1ng-teq/Nm3未満にし、塵の排出を大幅に低減できるように設計されている。新設プラントは、2019年第4四半期に焼結プラントと併せて稼働開始の予定。

 JFEスチール社の新設される第3焼結プラントの定格年間生産能力は480万トン。厳しい環境規制に対応するため、排ガスは処理してから環境に放出する必要がある。この過程では、酸性ガス成分(特にSOx)の除去、ダイオキシンとフラン(PCDD/F)を削減するとともに、効率的に塵を除去する。福山に設置されるMerosプラントは重炭酸ナトリウム(SBC)を脱硫剤として使用しており、この処理方法を採用しているプラントとしては世界で2基目となる。今回のMerosプラント設置はアジアで中国に設置されたプラントに次いで2例目となる見込み。

 最初のMerosプラントは、10年以上前にオーストリアのリンツにあるvoestalpine Stahl GmbHで運転を開始した。プライメタルズテクノロジーズは、エンジニアリング、主な機器の納入、コールドおよびホット試運転の顧問サービスを担当する。

 Merosの処理工程では、活性炭や重炭酸ナトリウムなどの吸着剤および脱硫剤を排ガスフローに注入してうまく分散させ、重金属、有害かつ危険な有機成分、二酸化硫黄ガスおよびその他の酸性ガスとうまく結合させて除去する。二酸化硫黄ガスの量を低減するために重炭酸ナトリウムを使用することにより、コンディショニング反応器も不要となる。この処理では水が発生せず、塵は特別に開発された省エネ型バグフィルターに堆積する。集塵装置によって塵を除去された清浄なガスの大部分は排ガスのフローに再利用され、ガス浄化処理の効率やコスト効果をさらに最適化できる残った未使用の添加剤は排ガスともう一度接触させるため、最終的にはほぼすべて利用されることになる。今回のように、消石灰の代わりに重炭酸ナトリウムを使用すると、排出される残留物も大幅に低減する。PT社の供給するプロセスオートメーションシステムは、排ガスの量や組成に大きな変動がある場合でも安定した動作を保証し、常に排出制限を守ることができる。

 2003年設立のJFEスチール社は東京に本店を置き、従業員44,000人以上(連結)を擁し、国内7ヵ所で製鉄所を操業している。同社は鉄鋼製品の製造・販売を手掛け、薄鋼板、厚中鋼板、形鋼、電磁鋼板、鋼管、チューブ鋼、ステンレス製品、棒鋼、線材、鉄粉を扱っており、一部のチタン製品も供給している

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