国内売上高は官公需関連を中心とする水・環境部門は前年並みにとどまったが、農業関連商品やトラクタなどが好調だった機械部門が伸長したため、前期比128 億円(2.3%)増の5,642 億円となった。
■部門別の概況(部門別の外部顧客への売上及びセグメント利益)
機械部門:同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械、電装機器により構成。売上高は前期比12.9%増加して1 兆4,366 億円となり、売上高全体の82.0%を占めた。
海外売上高は前期比15.3%増の1 兆1,421 億円となった。北米では、需要の拡大が続くホーム・オーナー向けなどの小型トラクタが底堅く推移し、建設機械やエンジンも増加した。また、前期に実施した事業買収も売上の上積みにはたらきした。欧州では、住宅・インフラなどの工事需要の拡大を背景に建設機械、エンジンが堅調だったほか、農業市場向けインプルメントも増加した。
アジアでは、タイの農業機械が年度前半は好調だったものの、後半は集中豪雨の影響により低迷したため、年間では小幅な増加にとどまった。中国では、政府補助金の予算削減などによるコンバインの減少を好調な田植機、建設機械、エンジンが補って大幅な増加となった。
水・環境部門:同部門はパイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)により構成。売上高は前期比2.9%減少して2,861 億円となり、売上高全体の16.3%を占めた。
国内売上高は前期比0.1%増の2,411 億円となった。パイプ関連製品は合成管が伸長したが、工事事業などが減少したため前期をわずかに下回った。環境関連製品は運転・保守事業の減などにより減少したが、社会インフラ関連製品は土木工事用スパイラル鋼管の好調により増加した。海外売上高は中東向けのダクタイル鉄管などの減少により、前期比16.2%減の450 億円となった。
同部門のセグメント利益は海外での減収を選別受注による採算改善や固定費削減などで補い、前期比18.3%増加して262 億円となった。
その他部門:同部門は各種サービス事業などにより構成。売上高は前期比1.9%減の289 億円となり、売上高全体の1.7%を占めた。同部門のセグメント利益は前期比21.1%減少して29 億円となった。
■2018年12月期の見通し
クボタは、2018 年12 月期第1四半期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用することを決定した。このため、以下の連結業績予想はIFRS に基づき算定している。なお、対前期比較に使用している2017 年12 月期のIFRS 実績値は概算値であり、会計監査の結果により変更する可能性がある。
2018年12月期の売上高は前期比685 億円増の1 兆8,200 億円を見込んでいる。国内市場では、機械部門、水・環境部門ともに増収が予想されるため、国内売上は増加する見通し。海外市場では、水・環境部門が横ばいとなるものの、機械部門が北米やアジアを中心に各地域での増収を見込んでおり、海外売上も増加する見通し。
営業利益は国内外での増収効果などにより、当期比125 億円増の2,130 億円となる見込み。また、税引前利益は前期比44 億円増の2,190 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当期比164 億円増の1,510 億円を予想している。
[業績見通しにおける想定為替レートは、1 米ドル=110 円、1 ユーロ=130 円としている]