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CNHインダストリアル、2017年売上は10%増の274億ドル、純利益3.1億ドル

 CNH Industrial(CNHインダストリアル、本社:ロンドン)は1月30日、2017年第4四半期(10~12月)と2017年通期(1~12月)の連結業績を発表した。それによると、2017年通期の売上高は前年比10%増の273億6,100万ドル、調整後純利益は同39%増の6億6,900万ドルとなった。ベネズエラの事業分離のための費用9,200万ドル、米国法およびその他の税法の変更に伴う12億2,300万ドルの費用、ならび債券の買戻し・早期償還に対する800万ドルの費用の影響を受けた。(1ドルは約109円)

 2017年通期における産業活動の売上高は、農業機械、パワートレイン、建設機械部門が増加し、前年比11%増の261億6,800万ドルとなった。営業利益は前年比18%増の15億1,900万ドルとなり、営業利益率は0.3ポイント上昇して5.8%となった。

 2017年第4四半期の売上高は前年同期比16%増の81億2,000万ドル、調整後純利益は前年同期の1億9,700万ドルと同水準だった。第4四半期の売上高のうち、産業活動の売上高は同17%増の77億9,800万ドル。12月31日にベネズエラ事業の解散により、現金収入は9,200万ドル(税引前)だった。産業活動の営業利益は同14%増の4億6,800万ドルで、営業利益率は0.2ポイント減の6.0%となった。

 CNHi2017年第4四半期と通期データ

 2017年12月31日現在の正味産業債務は、主として運転資本水準の低下に起因する強いキャッシュ・フローの結果、2017年9月30日および2016年12月31日と比較して17億ドルおよび7億ドル減少した 。

■農業機械:2017年売上は10%増の111.3億ドル

 農業機械の売上高は、前年比10%増(恒常為替レートベースで8%増)の111億3,000万ドルとなった。LATAM(中南米)の増加は、主に業界の販売台数の増加、市場シェアの増加、より高い馬力製品の好調な組み合わせ、および正味価格の実現によるものだった。売上高は、主にオーストラリア、ロシアおよび東南アジアにおける好調な販売量により、APAC(アジア太平洋)で増加した。

 EMEA(欧州・中東・アフリカ)では、業種数の増加、製品ミックスの優位性、正味価格の実現により売上高が増加した。NAFTA(北米自由貿易エリア)では、主に高馬力トラクタおよび乾草および飼料製品ラインを使用してディーラーネットワークの処理を中止した結果、売上高が減少した。EMEAの売上高は、主に2018年のシーズンの準備での合併販売の増加と価格の正常化の実現により増加した。売上高もAPACおよびLATAMで増加した。NAFTAの売上高は横ばいだった。

 2017通期の営業利益は、NAFTAを除くすべての地域における好調な販売数量と製品構成のおかげで、前年比16%増の9憶4,900万ドルだった。1%の正味価格実現は、原材料費の増加と不利な為替変動を相殺した。

 農業機械は、主に同社の新しい精密農業ソリューションに関連する研究開発、ならびに主に販売活動の増加に関連した販売費及び一般管理費への支出を増加させた。営業利益率は8.5%で0.4ポイント上昇した。2017年第4四半期の営業利益は前年同期比3%増の2億7,900万ドル、営業利益率は8.6%(2016年同期:9.6%)となった。有利な数量、正味価格実現および低保証費用は、新しい規制要件への移行および研究開発費の全体的な増加の結果、EMEAにおける製造ミスの増加、製品ミックスの不利な影響により一部相殺された。

■建設機械:2017年通期は14%増の26.2億ドル

 建設機械の売上高は、EMEAを除くすべての地域での業種数の増加およびNAFTAおよびLATAMを中心とした正味価格の実現により、2017年通期は前年比14%増の26億2,600万ドル(通貨ベースでは13%増)だった。2017年第4四半期の売上高は、すべての地域の市場成長を背景に、2017年第4四半期は前年同期比36%増(通貨ベースでは33%増)の7億8,500万ドルだった。

 2017年通期の営業利益は2,116万ドル(2016年:200万ドル)、営業利益率は0.8%(2016:0.1%)となった。この増加は、積極的な間接費吸収および正味価格実現を含む量の増加によるものであり、原材料費の増加、製品構成要素への外貨への悪影響、および生産コストの増加により一部相殺された。

 2017年第4四半期の営業利益は、1,300万ドル(2016年第4四半期:▲3,000万ドル)だった。第4四半期の小売売上高を達成するために、増加した生産量(2016年の第4四半期と比較して第4四半期は50%以上)に対応するためのランプアップ費用(ramp-up costs)が部分的に相殺され、業績が改善された結果につながった。営業利益率は6.9ポイント増加して1.7%となった。建設機械の世界の受注高は、前年比で30%以上の増加を維持している。

■2018年の展望:売上予想は270~280億ドル、農機の世界需要は平均5%増と予想

 農業機械の世界的な需要は、すべての地域が平均で5%上昇して改善すると予想されている。農家の収入は安定したままであり、植え付け面積に大きな変化は見込まれない。建設機械の需要は、LATAMとAPACで5〜10%上昇すると予測され、EMEAとNAFTAでは比較的僅かに上回っている。商用車の需要は、LATAMでは約15%、EMEAとAPACでは若干低下する見込み。

 製品需要の改善が予測され、同社の資本構成の変化がプラスの影響を受けた結果、同社は2018年通期のガイダンスを次のように設定している。

・産業活動の純売上高:270億〜280億ドル

・調整希薄化後EPS:$ 0.63〜$ 0.67

・2018年末の純産業債務:8億~10億ドル

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