㈱熊谷組は1月31日、㈱KATO HICOM(本社:横浜市)とJMUディフェンスシステムズ(本社:京都府舞鶴市)と共同で、不整地運搬車を自動で走行させるための「不整地運搬車(クローラキャリア)の自動走行技術」を開発したと発表した。これにより、不整地運搬車オペレータの負担軽減による工事の安全性の向上と、同一オペレータによる複数台の運転管理による生産性の向上を図ることができる。
一般的な土木工事において土砂の運搬は、積込箇所から搬出場所まで、ほとんど同一の経路を往復する繰返し作業を行っている。その作業は、単調な繰返しの作業でありながら、運搬経路からの逸脱や車両の離合などの危険があり、運搬車の運転手の疲労蓄積や集中力の低下による事故の危険もある。そこで熊谷組では、土砂の運搬作業の安全性と生産性向上を目的として、不整地運搬車の自動走行技術を開発した。
不整地運搬車の自動走行技術は、最初に不整地運搬車のオペレータが運転席から離れた場所(操作室)で、走行状況をカメラ映像で確認しながら土砂積載場所から搬出場所まで遠隔操作で運転を行い(教示運転)、その操作内容をコンピュータに記憶させて不整地運搬車を自動走行(自動運転)させるもの。
この技術の開発にあたっては、熊谷組が雲仙普賢岳(長崎県)などの災害復旧工事で確立した、複数の建設機械を操作室から遠隔操作で行う「ネットワーク対応型無人化施工システム」の要素技術が活かされている。