㈱ジェイテクト(以下ジェイテクト)は1月31日、工作機械主軸用軸受「ハイアビリーシリーズ」の性能向上を目的として、保持器形状を最適化し、回転時の昇温を抑えた「グリース潤滑低昇温アンギュラ玉軸受」を開発、量産を開始したと発表した。工作機械の主軸組立時の生産効率向上、ワーク加工精度向上、軸受交換周期の向上に貢献する。国分工場で生産、国内外の工作機械メーカー、スピンドルメーカー等に向けて販売、年間2億円の売上げを見込む。
工作機械主軸が昇温すると主軸の熱膨張によりワーク(工作物)の加工精度が悪化する可能性があることから、主軸用軸受には、低昇温化が求められている。また、軸受の潤滑方法としては取扱いの簡易性・主軸構造の簡素化の点からグリース潤滑が広く採用されているが、主軸を組み立てる際に、グリースをなじませるために試運転(なじみ運転)させる必要があり、生産効率向上のため、なじみ運転時間の短縮が課題となっている。ジェイテクトでは、軸受の設計を見直し、これらの課題に対応する製品の開発に成功、①保持器ポケット形状の最適化、②内輪と保持器との間のすきま最適化により、低昇温化となじみ運転時間の短縮を実現した。