㈱SCREENホールディングスは1月31日、半導体製造装置の生産能力増強を図るため、彦根事業所内に新工場を建設すると発表した。新工場の竣工は2018年12月を予定している。
近年、パソコンやスマートフォンといった特定の商品だけでなく、自動車や金融、医療、社会インフラなど、幅広い産業に半導体・電子部品が使われ始めている。半導体業界は、4年程度で好不況を繰り返す従来のようなサイクルを脱し、完全な成長サイクルに入ったとの見方もあり、今後も大手デバイスメーカーでは高水準の設備投資が続くと予想されている。
これらの市場環境を受けて同社は、収益性向上を目指して継続的に実施してきた「生産革新プロジェクト(※)」の一環として、生産体制の刷新と増強を図ることを決定。半導体機器事業の生産工場としては、2006年の「Fab.FC-2(ファブ・エフシーツー)」以来の工場建設となる。
総工費90億円規模の大型投資の中核となる新工場は、免震構造を採用しBCPおよびBCMの体制を強化するとともに、機能的な物流システムと大型立体自動倉庫の導入によって生産効率を追求。これらにより、省人化とリードタイムの短縮を実現する。
新工場稼働後の生産能力は従来比150%となり、好況が続くと見込まれるデバイスメーカーへの、長期にわたる製造装置の安定供給が可能になる。
同社は、半導体製造装置のさらなるシェア拡大を目指すとともに、半導体機器事業における収益改善と競争力強化を図っていく。
※半導体機器事業を担うグループ会社である㈱SCREENセミコンダクターソリューションズが、同事業の収益性のさらなる向上を目指して物流・組み立ての効率化を図り、業界最高水準の生産システムを構築するプロジェクト。