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三菱日立パワーシステムズ、ハイブリッドシステムが丸ビル向けに業務・産業用分散型電源として初受注

 三菱日立パワーシステムズMHPS)は1月31日、業務・産業用に市場投入した固体酸化物形燃料電池(SOFCSolid Oxide Fuel Cell)とマイクロガスタービン(MGT)の組み合わせによる加圧型複合発電システム(ハイブリッドシステム)を、三菱地所が東京・丸の内で所有・運営する丸の内ビルディング(丸ビル)向けに初めて受注(注)し、設置工事に着手したと発表した。効率が高く排気がクリーンな分散型電源として、東京駅前で街づくりが進む丸の内エリアにある丸ビルを、省エネ・環境配慮性の側面から支えていくもので、本格運転開始は同ビルの発電機改修工事が完成する20192月の予定。

 このハイブリッドシステムは、都市ガスを燃料とし、約900℃の高温で作動するセラミックス製SOFCMGTの両方で発電するもの。燃料を燃焼させることなく、SOFC内部で都市ガスを改質して水素や一酸化炭素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで発電する。さらに、後行程でMGTを使って発電することで燃料を有効活用し、総合効率は65%以上に達する。また、コージェネレーション(熱電併給)の場合には、残りの排熱を蒸気または温水として回収するため、総合効率は73%以上に達するとともに、従来の発電システムに比べて顧客の工場・ビルからのCO2排出量を約47%削減することができ、低炭素社会の実現に貢献する。

  MHPSでは、2016年度まで国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業により250kW級の実証に取り組み、国内4ヵ所に実証機を設置して安定稼働を確認。業務・産業用の実用モデルを開発し、昨年夏に販売を開始したもの。

  丸ビルは、三菱地所による丸の内再構築の皮切りとして建て替えられ、2002年に竣工し昨年15周年を迎えている。三菱地所では、同ビルの発電機が改修時期を迎えるにあたり、低炭素社会の形成へ向けてより省エネ・環境配慮性の高い分散型コージェネシステムの導入に着眼、MHPSのハイブリッドシステムが選定されたもの。

  MHPSは、今回の初受注を受け、業務・産業用燃料電池の普及促進に向けた提案営業を活発化するとともに、同システムのさらなる性能や利便性の向上に取り組み、持続可能性の高い低炭素社会にふさわしいエネルギー創出に貢献していく。

 (注)本件は経済産業省の「燃料電池の利用拡大に向けたエネファーム等導入支援事業費補助金(業務・産業用燃料電池システム導入支援事業)」、および東京都環境局の「水素を活用したスマートエネルギーエリア形成推進事業」に採択されたもの。

 ニュースリリース

 

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