利益面は、ジョイ・グローバル社の買収に係る一時費用が発生したものの、各地で売上げが増加したことにより、営業利益は1,881 億円(前年同期比75.8%増)となった。売上高営業利益率は前年同期を1.7 ポイント上回る10.4%。税引前四半期純利益は、投資有価証券の売却益もあり2,153 億円(同108.5%増)、株主に帰属する四半期純利益は1,550 億円(同126.9%増)となった。
■部門別の概況
【建設機械・車両】
建設機械・車両部門の売上高は1 兆6,589 億円(前年同期比53.9%増)、セグメント利益は1,839 億円(同90.5%増)となった。
オフロード法2014 年基準(米国ではTier4Final)に適合する中型油圧ショベル「PC200-11」と中型ICT 油圧ショベル「PC200i-11」を発売した。窒素酸化物等の排出を大幅に低減しながら生産性と燃費性能の両方で高いレベルを達成するなど、環境・安全・ICT に磨きをかけた最新機種を市場に導入し、販売拡大に努めている。また、2015 年2 月にスタートした建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を着実に推進し、これまでに4,400 を超える現場に導入した。同事業については、昨年12 月、米国の大手半導体メーカーであるNVIDIA 社と協業していくことを発表した。同社が持つ画像処理やAI に関する高い技術を導入していくことで、建設現場の安全と生産性をさらに高め、「未来の現場」の実現を加速させていく。
■地域別の概況
<米州> 米国およびカナダでは、インフラおよびエネルギー関連向けを中心に一般建機の需要が増加した。また、中南米は、アルゼンチンやメキシコを中心に一般建機の需要が増加した。さらに、コマツマイニング㈱の新規連結の効果もあり、米州での売上げは前年同期を大幅に上回った。
<欧州・CIS> 欧州は、主要市場であるドイツや北欧を中心に需要が堅調であり、売上げは前年同期を大幅に上回った。
CIS では、石炭や金鉱山を中心に鉱山向け需要が引き続き好調で、売上げは前年同期を大幅に上回った。
<アジア・オセアニア> アジアでは、石炭価格の上昇に伴い、最大市場であるインドネシアで鉱山機械の需要が増加したことなどから、売上げは前年同期を大幅に上回った。
オセアニアでは、鉱山機械の需要が増加したことなどに加え、コマツマイニング㈱の新規連結の効果もあり、売上げは前年同期を大幅に上回った。
<中近東・アフリカ> 中近東では、原油安を受けた各国政府の緊縮財政の影響はあったものの、一部地域での需要が回復傾向にあることなどにより、売上げは前年同期を上回った。
アフリカでは、南アフリカでの鉱山向け需要が増加したことなどに加え、コマツマイニング(株)の新規連結の効果もあり、売上げは前年同期を大幅に上回った。
【リテールファイナンス】 リテールファイナンス部門では、チリでの売上げの増加や北米での資産の増加などに伴い、売上高は459億円(前年同期比27.3%増)となった。セグメント利益は、中国での引当金計上の影響がなくなったことなどに伴い、89 億円(同32.3%増)となった。
【産業機械他】 産業機械他部門では、ワイヤーソーの販売減少などがあったものの、自動車業界向けの工作機械の販売が増加したことなどにより、売上高は1,214 億円(前年同期比0.2%増)となった。セグメント利益は91億円(同41.7%増)となった。
コマツ産機㈱では、2010 年より業界に先駆けて市場に導入した3 次元ファイバーレーザー加工機をフルモデルチェンジし、「TLH510-2」、「TLH408-2」の2 機種を昨年12 月に発売した。機械稼働管理システム「KOMTRAX」を標準搭載するなど、同社が培ってきた技術・ノウハウと先進のICT 技術を投入した最新機種により、顧客の品質・生産性向上に貢献していく。
なお、2018年3月期の連結業績は、売上高2兆3,280億円(前期比29.1%増)、営業利益2,160億円(同24.1%増)、経常利益2,370億円(同42.4%増)、株主に帰属する当期純利益1,590億円(同40.2%増)と前回発表(第2四半期決算発表時)数値を据え置いている。